気功で健康な体づくりを
18式の動功「仙遊功」 (上)

疲労回復、内臓強化に

肩・足腰のこりほぐす

同胞気功指導員 柳桂仙さん


最近、在日同胞高齢者の間でも気功人気は高い


同胞気功指導員 柳桂仙さん(リュ・ゲソン)  1940年7月27日、東京生まれの2世。初級部から大学まで民族教育を受け、32年間朝鮮学校の教員を務める。NHK学園と日本気功協会でそれぞれ3年ずつ学び、99年に「仙遊功」指導員の資格を取得。現在は、総聯江戸川支部(毎金)、女性同盟足立支部(毎水)、埼玉県のいきがい大学「蕨学園」(中・高年を対象とした大学、毎木)などで、同胞と日本人らにそれぞれ教えている。毎週土曜日には個別に出張指導も行っている。3月からは読売文化センターでも指導予定。問い合わせ=TEL 03・3888・7783。

 約3000年前に中国医学が生んだ健康法のひとつ「気功」。人間の体内に流れる気(生命体を維持するエネルギー)を、動功という独特のゆっくりした体の動きで正常に循環させることにより、@病の予防A回復力の向上B健康維持C延命D脳と内臓の若返り――に効果をもたらすとされる。

 特別な運動器具が必要なわけではないので、場所をとらず自宅でもでき、しかも、心身に負担がかからない。「やれば元気が出る」と、とくに高齢者の間で親しまれている。

 功法(気功の種類)は300通りあるといわれるが、そのなかでも肩・足腰のこりをほぐし、内臓強化に最も効果があるといわれるのが、18式の動功からなる「仙遊(せんゆう)功」。ワンサイクルが約17分と短時間ですむのも、忙しい現代人にはピッタリだ。

 疲労、便秘、肌荒れ、胃もたれなど様々な「体調不良」にも効き目があるが、内臓の中ではとくに腎臓機能を高めるとされる。

 自宅でもできる「仙遊功」の方法を2回に分けて紹介する。指導にあたってくれたのは、同胞気功指導員の柳桂仙さん。

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 @清風吹柳(せいふうすいりゅう)/1分間
 両足を肩幅と同じく開きつま先は正面に。ひざを少し曲げて腰を落とし、力を抜いて顎を少しひく(写真)。この状態で静止。

 A沈肩揉球(ちんけんじゅうきゅう)/5回
 @の姿勢から、手のひらは下向きで息を吸いながら両手をゆっくり胸の高さまで持ち上げた後(写真)胸元へ引く。息を吐きながら手を押し下げひざを曲げて軽く腰を落とす。

 B気推双掌(きすいそうしょう)/5回
 Aの後、腰の高さまで両手を上げて手のひらを上向きに(写真)。ひじを引いて腹部から胸の高さまで持ち上げながら立ち上がる。ひざを曲げて腰を落とし、息を吐きながら手のひらは前向きで両手を前に押し出す。両手を向かい合わせ、息を吸いながら胸元へ引き寄せ立ち上がる。

 C曲肘伸展(きょくちゅうしんてん)/5回
 Bの後、両手を腹部へ戻し胸の高さに持ち上げながら立ち上がる。肩の高さから手のひらを左右外側に向け(写真)息を吐きながら押し開き、ひざを曲げて腰を落とす。手のひらを上向きにし、息を吸いながら両手を腹部に戻して胸の前に持ち上げながら立ち上がる。

 D転腰托天(てんようたくてん)/左右3回ずつ
 Cの後、両手とともに腰を左に回し、息を吐きながら両手を左頭上に持ち上げる(写真)。息を吸いながら両手を腹部に戻し、正面を向いてひざを曲げて腰を落とす。右も同じ。

 E頂天立地(ちょうてんりっち)/左右1回ずつ
 Dの後、左足を右足に寄せ、力を抜いて両手を下ろしながら立ち上がる。右足に体重をかけ、息を吸いながら左ひざをゆっくり吊り上げるように腰の高さまで上げて止める。右手は頭上に、左手は腰の後ろへ回す。このとき右手のひらは上向き、左は下向き(写真)。反対も同じ。

 F転腕推掌(てんわんすいしょう)/左右1回ずつ
 Eから、右手を胸の前に下ろし、手のひらを左側に向けて押し出す。左手は手のひらを上向きにしながら即腹部へ持って行き、さらに外側へと回しながら上に持ち上げ、頭上で天を支えるようにする。同時に上げていた左足を肩幅より広めに下ろし、息をはきながらひざを曲げて腰を落とす。顔は右側を向く(写真)。右足は左足に寄せ、両手を下ろす。反対も同じ。EとFを交互に。
 
 G旋肩活腰(せんけんかつよう)/左右3回ずつ
 Fの後、右足に体重を乗せたまま左足を肩幅程度に寄せ、つま先を正面に向ける。ひざを曲げて腰を少し落とし、両手のひらを上向きにして腰の横につける。左手で円を描くように脇腹から腰の後ろへ回し左側へ戻す(写真)。それを右上斜めに上げ、頭上で1回転させ左上で止める。そこから右斜め前へ下ろし、左腰の横に戻す。左を3回行った後右3回。

 H左右磨盤(さゆうまばん)/左右5回ずつ
 Gの後、両手を右腰の前に運び左足を右足に寄せる(写真)。体重を右足にかけ、左足を1歩踏み出す。両手を大きく伸ばして左腰へ運ぶ。これを5回行った後反対5回。
(I〜Qは次号、李賢順記者)

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