岡山朝鮮学園が県教委に質問状
民族教育 支援は日本の責任で
国際人権法の視点で差別是正を
昨年12月、20世紀最後の人権週間に際して、岡山朝鮮学園(李康烈理事長)は、20世紀に起きた問題を20世紀に解決すべきだとして、県教育委員会に民族教育への差別是正を訴えた。
岡山朝鮮学園は、在日同胞問題の原点が、日本の植民地支配に起因していること、とくに解放後日本政府が、在日同胞に対し被害回復を行わなかったことなどを挙げるとともに、国際的な人権問題の潮流に照らして、もっとも早急に取り組むべき問題の1つが、民族教育を保障する問題だと指摘。次のような3つの質問状を県教委に提出し、回答を求めた。 質問は@国際人権法に基づいて、朝鮮学校に対する、学校教育法第一条校に準じた処遇A朝鮮学校卒業生を差別なくすべての県立学校に受け入れるB日本の学校に在籍するすべての外国人児童・生徒に対して、それぞれの民族的アイデンティティの保持を可能にするための具体的施策を推進する、ことなどについて、県教委が独自の判断で取り組む用意があるかどうかを問うものだ。 県教育委員会からこのほど寄せられた回答によると、私立学校に関することは、地方公共団体の長の事務とされているなど、結局、従来どおり「各種学校であるから(朝鮮学校の1条校に準じた処遇は)困難」、「財政緊縮のおりから難しい」という立場から1歩も踏み出せず、弁明の繰り返しに終始した。 岡山では、在日同胞だけでなく、県議会議員、日本の教育関係者も含めて、朝鮮学校への差別的な取り扱いの是正を、県当局に再三の申し入れをし、今回の質問状でも触れているように、民族教育への支援は、日本に法的、財政的、道義的責任があると訴えてきた。 今回の訴えは、在日同胞が納税の義務を果たしているというだけでなく、国際的な人権論議の中で、民族教育への権利を語ることで県教委、県当局に問題提起をするとともに、問題の本質を問い差別是正運動を盛り上げようというものだ。 |