世界の識者たちの見る21世紀
21世紀が始まった。気分はなんとなく晴れやかにしても、その新しい世紀とは、いったいどんなものなのか。「情報の世紀」とか「市民の世紀」「環境の世紀」という言い方がある。また、国家や民族間の統合が進むとの見方もあれば、むしろ「分化」へと向かうのでは、との予測もある。世界の識者たちは、今世紀、中でも最初の1年である2001年をどう見ているのだろうか。 経済が鍵も、「米国が独走」 年明けから世界経済が不安定である。ナスダック株の下落に続き、ニューヨーク市場は揺れた。そしてその余波は東京に波及した。 クリントン米大統領の経済諮問委員として、政策決定に参与してきたジェフリー・フランクル教授(ハーバード大学)はこう見る。 「株式市場でのITブームは、1920年代の電気と自動車が初めて現れたときと比べる程度であった。それなのに、未来に対する収益の展望が明るいという理由だけで、赤字企業にも投資家の関心があつまった。経済全体をそんな投機的な視覚で接近することは望ましくない」 そして、実際的な内容以上に高評価していけば下落は避けられないだろうと指摘する(中央日報 1月5日付)。 違った見方もある。ロバート・ライトン副所長(ブルッキングス研究所)は、・「株価下落の最も大きな理由は、展望したよりも企業の収益が大きく落ち込んだことにある」と指摘しながらも、「FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を下げ、米新政権が公約通り減税を施行すれば、米経済は軟着陸に成功するだろう」(韓国日報 1月4日付)と予測する。 グローバル化への反対も 米国は今世紀も、唯一の覇権国家としての地位を維持しようとするのか。「ブッシュ新政権は強力な米国を標ぼうしている」(ジェラルド・カーティース教授・コロンビア大学、東亜日報1月3日付)。 著書「大国の興亡」で日本でも知られているポール・ケネディ教授(エール大学)も、21世紀の当分の間、米国が独走するだろうと指摘する(中央日報 1月1日付)。 「世界人口の4〜5%しかならない米国が世界総生産の29%、軍事費の50%、インターネット網の80%、70年以降は科学分野のノーベル賞の80%を占めている。これから15年間、米国の地位を脅かす国は無いだろう」 しかし、グローバル化、世界化が米国の主導下で展開されていることによって、その犠牲になっている貧しい国々が米国に対して反感を強めていることにも注視しなければならない。昨年、米国やフランスなどで、地域の市民たちがグローバル主義に反対する運動を行ったが、今年も自分たちが住む地域の文化や伝統などを守っていく動きが増すだろうと、アレン・トゥレン社会科学高等研究院名誉教授(フランス)は予測する。
変化ない対北政策 その理由について「@アメリカにはそれ以外(北に対する関与政策)の現実的に有効な政策代案が存在しないA新政権が重視する中国問題との関連で、朝鮮半島の安定化がプラスになるという考えは、共和党に近い専門家たちからも聞かれる」と指摘する(「論座」1月号)。 朝・米交渉に当たったロバート・ガルーチ(ジョージタウン大学外交学部長)も、「ブッシュ新政権においても対北政策は大きく変わらないだろう」と見ている(韓国日報 1月3日付)。 |