春・夏・秋・冬

 年が明けても、不況の風が人々のほおを痛く打っている。株価の下落、不動産の低迷、金融機関の破たん…

▼これから企業は生き残ることができるのか、家庭の生活はどうなるのかと、さぞかし憂うつな気持ちになっている人が多いことだろう。筆者の友人も同じだ。5年前に購入した物件の価格が下落して、ローンの負担が肩に重くのしかかって青息吐息だという

▼株式と土地では影響力が大きく異なる。どちらも自己資金で購入するが、個々人の場合、圧倒的に土地購入の借入金比率が高い。株式は一物一価の市場売買で、売却すれば数日後には現金となる。だが不動産の場合、売却するのは簡単ではない。大半が相対取引だからである。動かない限り、値は下がるしかない。友人の物件を含めた近郊の住宅も、物件とその環境によっては多少異なるが、チラシなどを見る限り、購入時に比べて確実に年々下がっているようだ

▼多額の住宅ローンを抱えながら、浮かれてぜい沢な買い物などしていたら、それこそ家計は破たんしてしまう。だから堅実な人(友人もその1人)はローンの支払いを、消費よりも優先しようとする。中には家計簿をつけるなどして、支出の抑制に励んでいる人もいるという

▼今号から経済・経営欄で「オンマの家計簿」という新企画記事を始めた。家計簿をつけたからといって、誰もが節約できるとは思わないが、少なくとも「金」に対する視野を広げてくれるものになると思う。経済環境が厳しい中、同胞の生活経済について少しでもアドバイスができれば幸いである。(舜)

日本語版TOPページ