Q&Aオンマの家計簿@/韓鐘哲

なぜつけるか、目的、コツは?

大まかなお金の流れをつかむ


 Q  38歳の専業主婦です。家族構成は、サラリーマンの夫(40歳)と子供2人(小学校6年生と4年生)の4人家族です。

 毎年、年初に「今年こそは…」と思って、家計簿を買い求めるのですが、長続きしません。最近は、何のために家計簿をつけるのか、疑問に感じてしまいます。

 家計簿は必ずつけなくてはいけないのでしょうか? つける目的はあるのでしょうか? また、家計簿を長続きさせるコツがあるなら教えてください。

  毎年年初に、今年こそはと思って家計簿帳を買うものの途中で挫折…。あるいは、つけ方が分からないので最初から手をつけない…。このような経験をお持ちの方が、この記事を読んでいる方にも多いのではないでしょうか?

 家計簿は会社などでつける帳簿(現金出納帳などの元帳と呼ばれるもの)に似ていますが、帳簿のように決められた書式はありませんし、つけ方も自由です。 家計簿は必ずつけなければいけないのでしょうか?

 家計簿は、家庭における収入(主に給料など)と支出(生活費や教育費など)のバランスが崩れていないか(赤字になっていないか)をチェックし、バランスが崩れている場合は、その原因が何かを見付けるために役立ちます。ということは、家庭における収支のバランスが絶対に崩れない(家計が絶対赤字にならない)ならば、家計簿をつける必要はないということになります。

 では、家計簿をつける目的は何なのでしょう?

 収支バランスのチェックのため、節約して貯蓄をするためなど、人によって目的はいろいろ考えられます。しかし最大の目的は、家計簿をつけることによって家計の現在の状況と過去の状況を比較分析し、将来の家計の予算を立てることではないかと思います。家計簿は1ヵ月単位、1年単位だけではなく、数年後の家計の予算を立てる大切なデータといえます。ライフプランを考えるうえでの大切なデータになるのです。

 つぎに家計簿を長続きさせるためのコツをいくつかあげます。

 先にも述べましたが、家計簿には決められた書式がないのですから、何につけても構いません。ノート式の専用家計簿帳だけではなく、市販の大学ノートを自分で使いやすく工夫するのも良いでしょう。最近はパソコンの普及に伴い、パソコン専用の家計簿ソフトを利用する方も多くなってきています。

 家計簿では、おおまかなお金の流れと支出項目がつかめれば良いので、10円未満または100円未満を切り上げてつけるのも1つの手です。端数の小銭を貯金に回せば、お茶代ぐらいのへそくりになります。また、支出項目をあまり細かく分けると家計簿をつけるのが億劫(おっくう)になりますし、反対にあまり支出項目が少なすぎても家計簿の意味がなくなってしまうので、自分の暮らしにあわせて適正な数の支出項目を決めてください。

 毎日家計簿をつけなくてもすむような工夫も必要です。レシートを必ずもらうだけではなく、後で記帳しやすいように支出項目を書き入れて日付順に保管しておくと便利です。それと、毎月支払いが決まっている家賃や授業料などは、別に書き出しておくと支払い忘れ、記帳漏れもなくなります。ただし、いくら工夫しても月末にまとめてつけると大変なことになるので、最低でも週に1回は記帳する習慣をつけましょう。

 最後に、家計簿はつけること自体が目的ではありません。つけた家計簿を今後どのように利用するかが重要なので、家計簿での一時的な赤字はあまり気にしないで、年間を通して黒字になるよう家計のやりくりに努力をしてください。

ハン・ジョンチョル ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)生活経済をテーマにしたQ&A形式の新企画で、月2回掲載します。

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