春・夏・秋・冬

 7日から8日にかけてソウルは記録的な大雪に見舞われた。至る所で道路が遮断され、気温は零下20度まで下がった。それでも、明洞聖堂前の階段では、ハンストが続けられていた。保安法の撤廃と国家人権委員会法、腐敗防止法の制定を求めるハンストだ。昨年12月28日から今月9日まで、13日間行われた

▼30の市民団体と個人など110人が参加したハンガーストライキは「凄惨を極めた」(人権1日ニュース)という。寒さと急激な体力消耗のために、四人が病院に運ばれ、十人が点滴を受けた。それでも「人権運動サラン房」の徐俊植代表ら六人が断食をやり通した

▼「年内の改革立法処理は困難になった」という政府の昨年12月の発表が、断食闘争突入へのきっかけだった。新政権が登場してからの3年間、市民の期待に必ずや応えてくれるものと見守ってきたが、「口先ばかりの改革」に、もうこれ以上は我慢できず行動を起こしたというわけだ

▼昨年の暮れ、南朝鮮のある政治学者とこの保安法について話し合ったことがある。彼は現政権が置かれている立場を、事細かに説明していた。巨大野党の反対、独裁政権時代から継承されている官僚機構、経済の不振などなど。もっと長い目で見るべきだと言うのだが、説得力に乏しかった

▼6・15北南共同宣言を発表したその相手を「敵」と規定することが是なのか非なのか、いまさら問い直す必要もあるまい。野党の数や官僚機構うんぬんよりも、問題はその意志の有無で、その気になれば、いくらでも方法があると思うのだが…。(元)

日本語版TOPページ