本社記者 平壌レポート
倍増の年賀状
配達に大わらわの郵便局員
「苦難の行軍」乗り切った
最初の年、新世紀の幕開け
【平壌発=姜イルク、文光善記者】「今年は目が回るほどほど忙しかった。だって、年賀状の量が昨年の2、3倍あるんですもの」。平壌市郵便局西倉分所のチュ・キルリョル分所長(53)は、年賀状配達を終え、安堵の息をついた。
朝鮮では1994年7月の金日成主席逝去後、哀悼期間に入ったため、95年の正月から年賀状の数が大幅に減った。それがやっと増え始めたのは、哀悼期間が過ぎた98年から。 今年、とくに年賀状が多かった理由についてチュさんは、「『苦難の行軍』を乗り切った最初の年、21世紀の幕開けということではないか」と話す。 同分所の管かつ区域は、高層アパートが密集する平壌市中区域西倉洞の一帯。学生たちがよく利用する平壌体育館や氷上館(アイススケート場)も含まれるため、彼らの投函する郵便物も他地域に比べ多い。 分所は、21人の女性職員たちで切り盛りしている。年賀状配達の作業がピークに達したのは12月25日から年初の3日まで。職員らは、高層アパートの階段を何回も上り下りしながら、配達にいそしんだ。市民たちに聞いたところ、年賀状の内容は、昨年国をあげて盛大に行われた、朝鮮労働党創建五十五周年の記念行事を振り返ったものや、祖国統一への願いを込めたものが多かった。6・15共同宣言に寄せる期待の大きさがわかる。 同分所によると、年賀状も既製品より、手作りのものが上回ったという。「新年を意義深く迎えたいという、市民の気持ちの表れでしょう」(チュさん)。 |