そこが知りたいQ&A

省庁再編で何が変わる?

半数の1府12省庁に

外国人人権法務省、教育文部科学省、医療・雇用厚生労働省


 Q 日本政府の各中央省庁が再編され、6日から新体制がスタートしましたが。

 A 今回の再編の特徴は、省庁の数が半分に減ったことです。これまで23の省庁で分担していた政府の仕事を見直し、13省庁で行うことになりました。

 詳しく見ていくと、まず、任務が補完的または重複する11省庁が4省に統合されました。郵政省・自治省・総務庁が総務省に、文部省・科学技術庁が文部科学省に、厚生省・労働省が厚生労働省に、運輸省・建設省・北海道開発庁・国土庁が国土交通省に、それぞれ統合されました。

 次に、総理府の3庁(金融再生委員会、経済企画庁、沖縄開発庁)が、新設された内閣府に吸収されました。首相の権限強化を目指して新設される内閣府は、他の省庁よりも格上の存在で、首相の政策決定をサポートする機能を果たします。予算編成の基本方針を練る「経済財政諮問会議」の運営にも当たります。

 また環境庁が環境省に昇格しました。さらに他の7省庁についても見直しが行われ、大蔵省は財務省に、通商産業省が経済産業省に名称が変更されました(一覧別表)。

 一方、各省には、これまでの政務次官に代わり副大臣、政務官というポストが新設されます。

 省庁再編は、1997年末、行政改革会議(会長は当時の橋本首相)が出した最終答申に沿って行われてきた諸行政改革のうちの目玉。以来、関連法整備など、徐々に準備が進められてきました。日本政府によると、省庁再編を含む行政改革の目的は@政治主導の確立A縦割り行政の弊害を排除B透明化・自己責任化Cスリム化――とされていますが、マスコミ報道を見る限り、懐疑的な見方が多いようです。

 Q 私たち同胞の生活とどんな関係があるのでしょうか?

 A 再編自体がとくに影響することはないと言っていいと思いますが、この機会に、生活に関わる個々の問題をどの省庁が担当しているか知っておくのは重要でしょう。とくに最近はどの省庁もホームページなどを通じて様々な情報を公開し、制度の改革を行う際は前もって骨子を示して意見を募集しています(もちろん自分たちに都合のいいようにではありますが)。日本に暮らす一外国人として、どんどん意見を反映させましょう。

 まず、在日同胞のあり方に根本的に関わってくる省庁としては法務省(рO3・3580・4111)があげられます。入国管理局を通じ、出入国、在留など在日外国人の「管理」業務を担当しています。私たちを「管理」する外国人登録法、在留資格などの問題はここの管轄です。また、その対応の不十分さがたびたび指摘されていますが、人権問題を担当する人権擁護局もあります。

 次に、在日同胞固有の問題として関心が高いのは教育の問題です。法により、各種学校である朝鮮学校自体を直接管轄するのは地方自治体ですが、朝鮮学校を差別している学校教育法制度を取り仕切り、外国人を含め日本の教育政策全般を担当するのは文部省を継承した文部科学省(рO3・3581・4211)です。引き続き、大学受験など各種資格と1条校レベルの助成などの実現へ、処遇改善を求めて行く必要があります。

 また、いまだ一部に国籍差別の残る高齢者・障害年金の問題や、問題山積のまま昨年からスタートした介護保険などは、厚生労働省(рO3・5253・1111)の担当です。少子高齢化を背景に今後、ますます重要になる年金、保険、医療、雇用などの分野でどんな政策を進めていくのか注視しなくてはなりません。

 朝銀の破たん処理をはじめとした金融行政は昨年7月、全体の省庁再編に先行し、金融監督庁を改組して設立されていた金融庁(рO3・3506・6000)が担当しています(金融監督庁は98年6月、大蔵省から金融行政を分離して新設)。金融庁は、全体的な新体制がスタートした6日、改めて内閣府の外局として設置され、破たん処理などを専門的に担当するために98年12月、総理府に設置されていた金融再生委員会の事務も引き継ぎました。

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