埼玉県「南部高麗長寿会」発足
所属問わず誰もが訪ねてこれる場に
各地に同胞生活相談綜合センターが開設されるなか、センター内には、高齢者向けの娯楽室を整えることも少なくない。その娯楽室を有意義に使おうと、高齢者たちの会が新たに設立されているなか、埼玉県で「南部高麗長寿会」が、6日に結成された。
今年、3月から6回に渡って発足準備会を開いてきた。その過程で、6月の南北首脳会談が提案され、その実現、そして南北共同宣言が発表された。また、総聯同胞たちの南朝鮮への故郷訪問の道も開かれるなど、情勢が一変し、同長寿会の内容を一層充実したものにするため、団体や所属などを越え、誰でも参加できる広い会にしようとの意見が、準備会の過程で多く出された。 会長に任命された金東河氏(73)は、「高齢だなどといってじっとしているのではなく、情勢の流れに沿って、できることをしていきたい。これまでやってきたことを実らせ、今日まで守ってきたものを、2世、3世にしっかりと受け渡していく作業は私たち1世の義務でもある」と、会を旗揚げした意気込みを語る。 また、副会長の崔明辰氏(78)は「とにかく、支部に行けば誰かに会える。それでいい。難しいことよりそうした安心感が必要だ。南には甥がいる、会えることがあれば会ってみたい」と語った。 同会は、年齢を5歳下げて60歳からとし、とにかく地域に在住する同胞であれば、誰もが訪ねて来られる会にしていくという。今後は、1人で歩けない人のために、家族用の待機室や、支部の1階に設けている娯楽室に畳を入れるなど、細かいところを工夫していきたいとしている。 |