健全な肉体と精神を育てる
拳道会京都教室を訪ねて
基礎体力養い瞬発力、持久力高める
空手道拳道会京都本部が5月末に開講した拳道(空手)教室が評判だ。朝鮮学校生徒や日本の学校に通う同胞生徒、一般同胞、日本人らを対象に、心身を鍛える格好の場となっている。 有酸素運動/シェイプアップにも効果 「オース!」。京都市内のとある貸しスタジオ。静まり返った場内に力強い掛け声が響き渡る。一般の部の稽古(けいこ)日(毎週火曜と土曜の夜)。来年、正式に道場を開くまでの臨時道場だ。現在は15人が登録している。最高齢は43歳のサラリーマンだ。 1分間のめい想の後、稽古開始。前半は、気合いを入れながら、腕立て伏せやつきなどの型の練習に励む。15分もすると、全身にじわりと汗が浮かんでくるという。 後半はミットを使っての稽古だ。「1、2、3、4…」と号令を掛け合い、ミットに蹴りを入れる。10回、20回と続くが、途中でばてる人はいない。 「汗がすごく出るんで、気持ちいい」と参加者の一人は語る。 @姿勢が正しくなるA基礎体力を養い多様な運動能力を所有できるようになるB脚力、腰の力が強くなり瞬発力、持久力も高まるC傷や事故に強い柔軟な体になる。とくに、下半身を鍛えるには最適だ。むろん、護身術として折り紙つきである。 「シェイプアップにもいいですよ」と安師範。エアロビクスやウォーキングと同じような有酸素運動だからだ。しゃがみやけりなど、様々な動作を行うので、30分もすれば玉のような汗が出てくる。それを1時間半も続けるのだから、シェイプアップに効果があって当然だ。そのこともあってか、一般参加者の中には女性の姿も見える。 同本部では、京都朝鮮第1と第3初級学校の生徒たちを対象にしたクラスを開いている。9月末からは第2初級と滋賀朝鮮初中級学校にもクラスができる。第1では毎週土曜、第3では毎週月曜、それぞれ午後に練習が行われる。 幼稚班年長組から中級部3年生までが対象。現在、第1では40人、第3では20人が練習に励んでいる。指導員は5人。 「子供たちの場合、体力をつけるだけでなく、きちんとした礼儀が身につくということで、親たちから好評なんです」(安師範) 練習の始めと終りには必ず礼をする。靴の並べ方、整理整とん、帯の結び方や道着のたたみ方を覚えるのも重要な練習だ。 8月には26、27の2日間にかけて京都朝鮮中高級学校内で、第1と第3初級合同の合宿も行われた。心身の鍛練だけでなく、見知らぬ生徒同士が1つ屋根の下で一晩過ごすことで、集団性を養う上でも十分な役割を果たした。 「私たちは、空手の専門家を育てるとともに、同胞社会、ひいては世界平和に貢献する健全な肉体と精神を持った人材を育てるのが目的だ。そのために空手の訓練が役に立てば」と安師範は語る。(文聖姫記者) ※道場生募集中。問い合わせは拳道会京都本部事務局(рO75・671・3934)まで。 |