春・夏・秋・冬

 「天災は不意にやってくる」といわれる。東海地方の豪雨は、1時間に100ミリ近くの百年来のものだった。300戸以上の在日同胞世帯にも大きな被害が出た。総聯愛知県本部に対策委員会が設けられ、現在、復旧作業に全力を挙げて取り組んでいる。各地同胞の支援を呼び掛けたい

▼ぐずついた天候の続いた日本とは打って変わって、南半球のシドニーは春の穏やかな晴天続きだという。15日の五輪開会式、全世界が歓迎し祝福した初の南北共同入場行進の余韻も覚めやらぬなか、さっそく各種競技の熱戦が展開されている

▼前回のアトランタ女子柔道48キロ級で、田村亮子の夢を寸前で打ち砕いたケ・スニ。今回は52キロ級に出場、2大会連続の金メダルを狙ったが、惜しくも準決勝で惜敗した。テレビ解説者が「何でもありのヨーロッパとアジアスタイルの違い」による判定の微妙さについて語っていたが、それにしても瞬間、思わず「何で?」と口をついて出てしまった

▼試合後、控え室に戻る途中のケ・スニの目には涙がにじんでいた。悔し涙なのか、それでも銅メダルを獲得した喜びからなのか。日本に居ては詳細を知る由もない。しかし世界の任じる強豪、アテネの最有力候補としての存在は、今回の戦いによってさらに高まったと思う

▼そのケ・スニ、感想を聞かれて「2つの祖国にメダルをささげます」と語ったという

▼これまで幾度も目にしてきた、統一旗を手にし南北1つになった観客席の応援の光景。私たちの夢も確実に1歩1歩、本物に近付きつつあることを実感する。(彦)

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