在朝日本人女性故郷訪問団第3陣
40年ぶり、懐かしさと嬉しさ
募る国交正常化への思い
「子供、孫と来たかった」
在朝日本人女性故郷訪問団第3陣(団長=リ・ホリム朝鮮赤十字会中央委副書記長)16人が12日から訪日した。1998年2月の第2陣以来、約2年半ぶりのことで、一行は約40年ぶりの故郷訪問に、「夢のよう。両国政府、赤十字関係者に感謝する」と口々に語っていた。18日の帰還まで、親族、知人との面会、出身地などへの訪問などを行う。 親族、知人と面会 出身地を訪問一行が成田空港の到着ロビーに姿を現したのは、飛行機到着から約1時間後の午後八時だった。瞬間、待ち構えたカメラマンのフラッシュが一斉にたかれる。初めは笑顔を見せていた彼女らも、記者の数の多さに驚いた様子で、一瞬緊張した表情に変わった。それでも、バスに乗った後はほっとしたのか、笑顔が戻っていた。 16人の本籍地は東京が5人、青森と大阪が2人、宮城、福島、千葉、神奈川、埼玉、大分、宮崎がそれぞれ1人ずつとなっている。年齢は59歳から76歳まで。リ・ホリム副書記長ら3人の赤十字関係者が同行している。 ◇ ◇ 12日、成田空港で四人の代表が記者会見した。 「故郷訪問は、国交正常化前はむずかしいと思っていたので夢のよう」と語る伸和淑さん(及川和子、62)は「1度は里帰りしたいという晩年の思いをかなえるために尽力してくれた、両国の政府と赤十字関係者に感謝する」と強調した。 宋恵蘭さん(堀越恵美、65)は「40年ぶりの故郷訪問。なつかしさとうれしさでいっぱいです」と感無量の様子。「朝鮮にいる子供や孫たちと一緒に来たかった」と語った。 安黎玉さん(安田黎子、68)は、「今朝7時半に夫や娘、孫たちの見送りを受けて出発し、到着したのが夜の7時。国交正常化されていれば2〜3時間で来れる距離なのに」と少々疲れ気味の様子だった。 日本で何をしたいかとの質問には、「両親が生きている時に来たかった。ぜひ両親の墓参りをしたい」(金恩慧=安藤芳慧さん、64)、「93歳になる母にできなかった孝行をしたい。御飯も作って上げたい」(安さん)などと答えていた。 ◇ ◇ 一行は13、14の両日、宿泊先の国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)で親族、知人らと面会した。日本赤十字社によると、13日の面会者総数は12人の在朝日本人女性に対し、33組82人。24日は10人に対して、46組84人。 安黎玉さんの親族の女性(70)は、新聞の記事を見て日本に来ることを知ったという。 「大福とせんべいをおみやげに持ってきた。とても元気そうだった。もう少し行き来ができればいいわねなどと話し合った」と、60年ぶりに会った感想を話してくれた。 金鮮姫さん(若山シヅ子、63)の知人の男性は、「3時間ほどなごやかな雰囲気で話した。苦労しているようには見えなかった。子供さん2人は医学者だそうだ」と感慨深げだった。 宋恵蘭さんの下には小、中、高校の同級生10人ほどが駆けつけた。友人の1人(65)は、「帰国する前日の晩に会って以来。とてもかわいらしい顔をしていて、当時、同級生の間ではスターだった。えくぼがそのままだった」と会えた喜びを語った。 13日夜には、日本赤十字社主催の歓迎会が催された。(本社取材班) 在朝日本人女性故郷訪問団第3陣名簿 朝鮮名(日本名) 年齢
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