ことわざ辞典
三歳の折の癖が八十まで行く
「三歳の折の癖が八十まで行く(セェサルジョク ポルシ ヨドゥンカジ カンダ)」
幼少期の性格・気性は一生涯変わらないという意味。類語に日本の「三つ子の魂百まで」、「三歳児の魂は八十まで通る」というのがある。 相当長い時間寝たであろう。そのうち、何だか体全体が冷えてきたので、そっと目をあけてみた。あたりはすっかり暗くなっていたが、何者かが顔に水をふりかけるので、よくよく見ると、驚いたことに、それは大きな虎であった。こんな大きな虎から水をふりかけられたのでは、もう命はないも同然。こうなった以上、虎とケンカでもして死ぬほかない、と山男は悲壮な決意をした。 その時、山男はすかさず虎の両耳をつかんで、ひらりと背に飛び乗った。すると、虎はますます驚いて、男を振り落とそうとありったけの力でどんどん走った。夜通し方々を駆け回り、夜明けごろになって虎は、自分の洞穴へやってきて中へ入ろうとした。 「洞穴の中に入ったら最後」。山男は虎の両耳をにぎったまま、両足で洞穴の門の両側を閉ざそうと懸命に頑張った。虎も洞穴の中へ入ろうと、力を出して勢い込むのだった。そうこうしているうちに、何物かが穴の中へ跳び込んでいった。よくよく見ると、それは虎が皮から脱げて、中身だけが洞穴の中へ跳びこんだものであった。 山男は意外にも大虎の皮を得たので大喜びし、それを持ち帰り、高く売って一躍大金持ちになった。ところが、山男の隣にいた昔からの欲張り男は、どうして金持ちになれたかを彼に聞くのだった。話を聞いた欲張り男は早速、山男と同じ行動をし、虎の皮を得た。ところが、皮を市場に持って行くと、買手はこう言うのであった。 「この皮は疵(きず)もなく筒抜けで、いいにはいいが、二番皮だから値が出ない。ぜひ売るというなら買ってあげてもよいが、手間賃として五両しか出せない。それで酒でも買えば引きあうだろう」。その言葉に、欲張り男はずいぶんがっかりして肩をハタと落としたと言う。 |