各地で「日・韓・朝」子ども絵画展

南北、朝、日の心を結ぶ

きっかけは人道支援、ソウルでも反響


 朝鮮民主主義人民共和国への人道支援と、南北朝鮮の統一、日朝国交正常化への市民レベルの機運を高めることを目的にした「日・韓・朝こども絵画展」(主催=同実行委、協力=日朝友好促進東京都議会議員連盟、「東京都議会日韓議員連盟」)が、各地で開かれている。全国を草の根で回っていこうというのが主催者の趣旨で、昨年2月から東京都庁の都政ギャラリーを皮切りに、各地で開催されている。

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 展示されている絵は全部で220点。絵画展を開くきっかけは、朝鮮への食糧支援を3年前から行っている歌手の京一夫さん(実行委のメンバー)らに、朝鮮の子どもたちが、支援のお礼にと書いて寄せた絵を、皆に見せたいと思ったことだ。

 京さんはその時のことを「別に、これで絵画展をやろうなんて思ってなかったが、こういう形になったのは、その時の子どもたちや朝鮮の人たちの気持ちを、日本にいる人たちにも伝えてほしいと、僕に託したんだと考えるようになったからだ」と振り返る。

 当初は、日本の市民に食糧支援を訴えることを目的に、各地を回りながら写真やビデオで朝鮮の状況を伝えていた。その写真やビデオを見ながら、ソウルや日本の子どもたちもその場で絵画やメッセージを寄せてくれた。それが今回の企画に至ったのだ。

 企画の話しを聞いた都議連の河合秀二郎幹事長は、「日朝が国交正常化した後も、こうした積み重ねがあったことを21世紀に生きる子どもたちのためにきちんと歴史に残しておくべき意義ある事だ」と、快諾し、実現の運びとなった。

 さらに、東京・町田市や荒川で行なった際に、西東京朝鮮第2初中級学校や東京第1朝鮮初中級学校の生徒たちも絵とメッセージを寄せてくれた。

 「子どもが描く絵には、その時代の社会を反映したものや、強烈に印象に残ったもの、素朴で率直な意見や心境が反映されている」。

 送った物資は食べてなくなるけれど、絵は残る。同時に思いも残る。あの時、託された「心」が、朝鮮への食糧支援を継続することや、朝鮮問題にかかわる原点になっている、と京さんは言う。

 同絵画展はこれまで東京、埼玉、兵庫、千葉、神奈川、秋田、栃木などで開催され、8月にはソウルでも(4日から15日)開かれ、大きな反響を呼んだ。

 実行委では、こうした反響に基づいて、さらに朝鮮への人道支援につなげたいと考えている。

 そして10月には、南北、朝鮮学校の子ども、日本の子どもたちの絵を持って、平壌での開催も予定している。 (嶺)

今後の開催日程

 町田市公民館・ロビー展覧会(20、21日)、栃木県栃木市民会館展示ギャラリー(23日)、神奈川県川崎市・桜本こども文化センター(27日、28日)、東京・台東区浅草・東洋館ロビー(29日)、東京都庁展覧会都民ホール(10月12日、13日)

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