トンポ就職情報センター
18日からHP開設

地方別求人案内、業種別企業検索など


日本企業にも門戸開放促す

 6月27日に発足した「トンポ(同胞)就職情報センター」が、18日からホームページ(HP)を開設し、専門就職情報誌「イルト(職場)―21」の発刊準備も整えるなど、いよいよ本格的な活動を開始した。同胞の間でも、就職と企業の人材確保は急務で、就職に関する専門センターの本格的な活動は、同胞が心まちしていたものだ。

全国規模のサービスへ

 現在、各地には同胞生活相談綜合センターがぞくぞくと開設している。センターでは、冠婚葬祭などに関する相談とともに、就職に関する問い合わせが増えている。

 こうした同胞のニーズに応えるために、就職情報センターでは、同胞生活相談綜合センターとの連携を持ちながら、6月の発足当初から全国規模で情報を収集し、対応するためにHPを開設した。

 電話やFAXではどうしても情報が、就職センターのある関東地方周辺にかたよりがちだ。

 だが、HPが開設されれば、地域格差を解消できるし、情報を全国に配信することができるようになる。 今月18日にいよいよ開設するHPでは、地方別求人、求職案内のほか、遊戯業、不動産・貸ビル、金融、コンピュター・通信、飲食といった業種別の求人企業も検索できるようになっている。

 現在は、50社(各部門別求人150人)ほどが整理されているが、今後は、さらに広げていく予定だ。

 また、HPでは求人情報メール配信サービス登録(9月末)のほか「同胞企業の魅力とは」、「就職活動QA」、「求人企業登録・更新(9月末)」などの情報も盛り込まれる。

同胞ならで はの細かさ

 求職に関しては、個人のプライバシーを守りながら、就きたい職と具体的に企業側に望むことを突き合わせるなど、同胞ならではの細やかな職探しを目指しており、この2ヵ月、センターが独自に相談を受け付け、解決した問題も少なくない。

 一例を挙げると、調理師をしていた同胞のAさんは、昼と夜が逆の生活で、妻はもちろん、子どもたちと顔を合わせる暇もなかった。そのために、子どもに淋しい思いをさせていた。そこで、同胞就職情報センターに相談した結果、他の企業に就職した。

 Aさんは調理師免許を持っており、1日に1度は家族と顔を合わせ、食事ができることを条件に挙げることができた。

 また、センターにはこの間、同胞からの情報を聞きつけたとして、大阪や愛知などからも、相談の電話を受け付けているが、今回のHP開設を機に、センターを利用する同胞の数が、さらに増すものと思われる。

月末には専 門情報誌も

 趙纒恟樺キは「一人でも多くの同胞にセンターを活用してほしい」と話す。

 今後、求人広告を出してくれる同胞商工人との連絡を取り合う一方、日本企業に対しても、同胞学生の就職に対し、門戸を広げるよう働きかける計画でいる。

 「こうした問題は、今後のニーズでもある。そのためには、日本の行政機関との対応も必要になってくる。事業体として日本社会で認知された団体を目指すために法人化も考えている。また、就職する同胞や学生側も日本企業で十分対応していける人材になり得るよう準備していくことも必要だ」(趙所長)

 氷河期と言われた就職状況は若干改善しつつあるが、まだまだ厳しい。センターでは、こうした状況を踏まえて、HPに続いて、月末に専門情報誌を発刊し、さらに多くのニーズに対応していけるよう取り組んでいく。(金美嶺記者)

連絡先=03・5840・5222(電話、ファクスとも)
HPアドレス=http://www.ilto.ne.jp

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