米行政当局による国連サミット参加妨害


 金永南・最高人民会議常任委員長一行が米行政当局の妨害策動によって、国連ミレニアム・サミットへの参加を取り消し、帰国したことと関連して5日、朝鮮外務省と委員長スポークスマンの崔秀憲外務副相が発表した声明は次の通り。

金永南委員長代弁人声明

 国連ミレニアム・サミットに参加するため、フランクフルトを通過中だった最高人民会議常任委員会委員長とその一行は、米国側の不当な妨害策動によって、やむおえず会議の参加を取り消して、帰国しなければならなくなった。

 4日、委員長とその一行が、フランクフルト飛行場で、すでに予約していたアメリカン航空機「AA176」に乗るため、公認された規定に沿ってすべての通過手続きを終えた後、搭乗しようとするや、米航空安全担当要員なる人物が現れ、随行員のトランクと手荷物をあけ、犯罪者を扱うかのように服と靴を脱ぐことを強要し、口にするのもためらわれる体の局部の隅々まで検査した。

 彼らは、さらに委員長にもこのように無礼な行為を強要しようとした。

 われわれは現場で、こうした検査を断固として拒否、厳重に抗議し、ワシントンにこの事実をただちに報告することを求めた。

 米航空安全担当要員なる人物たちは、しばし席を外した後、再び現れ、上部の指示だと言いながら、いわゆる「不良国家」のレッテルのついた北朝鮮をはじめとする八ヵ国に対しては、誰であろうと、無条件に前述の検査を徹底して受けなければならないと言いながら、そうできなければ、飛行機に乗れないと挑発的な態度に出た。そして、われわれと合意もせずに、自分勝手に飛行機の予約を取り消した。

 尊厳ある国連メンバー国の朝鮮を代表する常任委員会委員長に対する米国の無礼で挑発的な行為は、主権国家の自主権に対する厳重な侵害であり、国連憲章に従うメンバー国の権利行使、そして国連と国連が組織するミレニアム・サミットに対する公然とした挑戦である。

 これはまた、国際法と国際慣例すらも無視する傲慢無礼な行為だ。

 今回の事件は、米行政部の脚本に沿って事前に企てられた、故意的で計画的な策動としてしか見ることが出来ない。

 委員長とその一行に米国の入国ビザを発給し、クリントン大統領が宴会に招待までしておいて入国を遮断するのは、米国の陰険、凶悪、狡猾な両面術策の一端をそのまま見せている。

 これらのすべては、米国こそが「不良国家」の典型だということを実証している。

 米国は、常任委員長に強いた重大な行為に対して公式謝罪すべきであり、その結果について全的な責任を負うべきである。 (朝鮮通信)

朝鮮外務省声明

 代表団は、国連ミレニアム・サミットに出席するため4日、フランクフルトからニューヨークへ向かうことになっていた。

 ところが、空港に米航空安全担当要員なる者が突然現れ、本国から指示を受けたと言い、朝鮮が「不良国家」なので、常任委員会委員長を含む代表団メンバーとその所持品を別個に検閲することになったと恥知らずな要求を突きつけた。

 国際的な旅行慣例にもはずれ、国家代表団に対する初歩的な儀礼道徳も無視したこうした強盗的な行為は、主権国家の自主権に対する耐え難い冒とくであり、国連と国連が組織するミレニアム・サミットに対する重大な挑戦である。

 米国政府が朝鮮代表団の入国ビザを発給し、サミット期間に催す宴会にも招待し、朝米間の一連の高位級接触まで合意しておきながら、実際にわが代表団が出発すると、途中で「飛行安全」上の問題だと言いがかりをつけて妨害したことは、彼らの対朝鮮敵視政策が少しも変わっていないばかりか、より卑劣でこうかつな手法で施されていることを示している。

 われわれはこの度の事態を通じて、われわれとの「関係改善」をうんぬんし、さし当たっては一連の会談を望んでいる米国が、実際においては朝鮮の対外関係の拡大を快く思っていないことをはっきり知った。

 今回の事態は、米国こそ、世界で最大の不良国家、ならず者国家であることを明白に示している。

 米国の強盗的で恥知らずな行為に対して強い対応措置を講じることは、朝鮮の至極当然な自主権の行使である。

 米国は、朝鮮人民の尊厳を傷付けた代価がいかに高いかをはっきり知ることになるだろう。(朝鮮通信)

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