それぞれの四季

新体操のW杯マット


 今年もまた、ウリハッキョの中央体育大会の季節がやってきた。秋雨の中、大会最終日、朝鮮大学校の体育館へと足を運んだ。熱気あふれる会場では、愛くるしい新体操選手たちが、私を迎えてくれる。

 新体操が中央大会の正式種目となって今年で11年目。選手として、補助員として、指導員として、そして、審判として私はこの競技に毎年関わってきた。

 ピーンと張りつめた緊張感の中で、真剣に、全力で演技にのぞむ選手たちの姿に、かつての自分をダブらせる。年に1度の大会は私の大きな活力源である。

 今年は、選手たちの演技に加え、もう1つ大きな「目玉」があった。それは、朝大の体育館に備えられた新しい新体操競技用マットのお披露目。昨秋、大阪で開催された、W杯(ワールドカップ)のあと、破格の値段で売り出されたものを買い取ったのだ。破格といっても200万円はくだらない。不況のこの時期に…と弱きな心に自ら喝を入れながら、朝大在校生の学父母や卒業生らに協力を呼びかけ、お金を集め、みんなの力でやっと手にいれた。

 子供たちのためなら…と、協力を惜しまない同胞の姿は、民族教育のいたる場面で見られる。ジュウタンのような、ふわふわのまっさらなマットを前にし、自分が選手として競技している時は気づかなかった目に見えない愛情と支えを感じ、胸が熱くなった。

 先日は在日朝鮮人の洪昌守選手が、チャンピオンの座に就いた。初挑戦で成し遂げた偉業。新体操界でも若きホープたちが着実に育っている。これからの在日朝鮮新体操に、乞うご期待。(主婦)

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