春・夏・秋・冬

 朝鮮半島全体を象徴して、「白頭から漢拏まで」とよく表現される。白頭山は朝鮮半島の最高峰であり、漢拏山は済州道・最南端に位置する。この象徴的な両山を南北の人々が行き来するようになれば、それはもう「統一」を意味する

▼今回の第2回閣僚級会談で、両山へのそれぞれ百人規模の観光団交換が、そして次回会談の開催地として漢拏山が決まった。「シジャギ チョルバン」(始めが半分=事を始めれば成ったも同然

)▼「予想外の早いテンポでの進展」と驚く人が多い。その驚きの中には、かつての挫折の多かった南北対話のいきさつから、「そう簡単にはいかないだろう」という意味と、「順調に進んでほしくない」という否定的な意味合いが込められている

▼先日も南・北・日の私的な会合で、そうした、とくに後者に比重を置いた日本の専門家の意見を開陳された。「南は米日両国と歩調を合わせるべきだ。単独行動は両国に疑念を抱かせる」「北が本当に変わったのかどうか、現状で即断すべきでない」

▼これに対して南の研究者は、「疑念とはどういう疑念なのか。われわれは逆に統一支持を口にしながら、実は米日がそのことを望んでいないのではないかとの疑念を持つ」と反論。そして「北の変化をうんぬんする前に、変化した朝鮮半島情勢に合わせて、とくに日本こそが変わるべきではないか」

▼論議を積み重ねていけば、距離は少しずつ縮まっていくとは思うが、「朝鮮民族に先進的な技術を、文化を植え付けてやったのは日本」という民族蔑視の根深さを感じずにはおれなかった。(彦)

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