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独裁政権時代に「北のスパイ」として捕らわれ、「転向書」に署名しなかった政治犯を、南朝鮮の市民は、尊敬を込めて非転向長期囚と呼ぶ。人為的な障害がなければ、その非転向長期囚63人が明2日、やっと故郷の懐に抱かれる
▼かつて非転向長期囚と同じ刑務所にいた人物の話を聞いたことがある。その1人Aは、「長期囚先生が年に2回、刑務所の中で宴会を催していた」と教えてくれた。4月15日と10月10日である。どんなに弾圧されようとも、ある時は水とパンだけでも、彼らはその日を祝った ▼Bは、転向強要の凄まじさを教えてくれた。水拷問、電気拷問、飛行機拷問…。いくら肉体を痛めつけても彼らは屈しなかった。AとBは、そんな非転向長期囚の姿を見て、信念とは、志操とは何かを学んだという。そしてAとBは、さらに大きく成長して出所し、学んだ信念を貫こうとしている ▼長いたたかいの末に、彼らは釈放を勝ち取った。念願の故郷にも帰れることになった。もう過去は水に流そう。が、しかし、水に流せないものがある。彼ら1人ひとりの功績、獄中で無念な死を遂げた人々の信念は、どんなに歳月が流れようとも、忘れてはならない ▼キム・ソクヒョン氏は、帰還に先立って「北朝鮮労働党員として、党の革命伝統を高く掲げ、過去、現在、未来の偉大な金正日国防委員長の指導を高く掲げ、私の命が尽きるまで党の任務を遂行する」ことを南の市民に誓った ▼もうすぐ10月10日が、またやってくる。その時は、独房で、1人でではなく、大勢で祝おう。 (元) |