「われらの願いは統一」

在日と南の高校トップレベル

大阪朝高ー安東高が親善試合
(昨年度のインターハイ)−(南朝鮮の今夏全国大会優勝校)


 試合後、記念写真に納まる両校の選手たち

 試合では好プレーが随所で見られた

 プレーを通じ心が1つになったと語る両校キャプテン

次は統一朝鮮でプレーを

 6.15南北共同宣言発表後、その履行のための2回にわたる閣僚級会談、離散家族のソウル、平譲相互訪問、芸術、スポーツ交流など、朝鮮半島が和解と団結のムードに包まれるなか、大阪で8月27日、昨年度のインターハイ・サッカー大阪府代表となった大阪朝鮮高級学校と、今年7月、南朝鮮の全国高校サッカー大会「白鹿旗」で優勝した安東高等学校(慶尚北道)との親善試合が行われた「JAPAN・KOREA高校親善サッカー大会2000」(大阪サッカー協会主催)。在日と南の高校トップレベルの対戦となったが、「勝ち負けより心が通じ合うような試合ができた」と選手や関係者らは感想を語っていた。

 全国12校ある朝高のサッカー部が、南の高校サッカーチームと親善試合を行うのは今回が初めてで、大きな注目を浴びた。

 しかし、両校の選手らは、「分断の壁」によってこれまで実現できなかった交流だけに、「いったい、どのような雰囲気の中でプレーできるのか、試合前日はあまり眠れなかった」という。

 だが、グラウンドにいざ足を踏み入れた瞬間から選手たちの不安は、一瞬のうちに打ち消された。スタンドには、「われらの願いは統一」と書かれた横断幕が掲げられ、思想と信条、団体所属の違いを越え、総聯と民団の同胞、それに日本市民ら約7000人が駆けつけ、それぞれ手にした白地にブルーの朝鮮地図が描かれた「統一旗」を振って、温かく迎えてくれたからだ。

 試合は開始のホイッスルと同時に、激しいタックル、そして鋭いシュートが繰り出され、好プレーのたびにスタンドの統一旗が打ち振られた。双方とも前半は得点に結びつけることができなかったが、後半3分、朝高が先制点を奪い、その3分後にも得点を追加。

 試合は結局、2―0で朝高が勝ったが、試合後、両チームの選手たちは「チャ ヘッソ」(よくやった)「コマソ」(ありがとう)などと互いに健闘を称えあいながら、熱い握手を交わした。そして肩を組み、スタンドと一緒になって「われらの願い」を合唱した。

 同胞らは、「6.15南北共同宣言に次いで民族の新しい1ページが開かれた」、「新しい時代をつくる高校生に感激した」、「歴史的な1日」と喜びを共有していた。

 安東高は25日に空路大阪入りし、朝高での歓迎セレモニーに参加。焼肉パーティーで朝高生らとの交流を深め、29日に空路大阪を立った。空港で両校の生徒たちは、互いのユニホームを交換しながら、「タシ マンナジャ」(また会おう)などと握手を交わした。なお、この日の試合に先立ち26日、安東高と今年度インターハイ大阪府代表校、関西大学第1高等学校との試合も行われ、0―0で引き分けた。

朝高

金正海監督

 本籍地が安東郡の隣なので、故郷の風にあたったようだ。学んだことを肥やしに、生徒たちが統一に寄与してくれることを願う。

梁英二主将

今日はいいゲームができた。安東の選手たちはみな情が深い。またサッカーを通じて交流を深めたい。

安東高

崔建旭監督

 朝高は強い。南でもトップレベルの実力がある。また生徒たちが自然に溶け込む姿を見ると、ここは安東ではないかと錯覚した。

権巡昊主将

朝高と安東高が1つの家族になったように感じた。次は統一した祖国でボールを一緒に蹴りたい。

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