東京で第10回朝・日政府間本会談
今世紀中に国交樹立を
朝鮮側鄭団長「過去の清算が根本問題」
第10回朝・日政府間本会談が22日午前、東京都の外務省飯倉公館で行われ、朝鮮民主主義人民共和国外務省の鄭泰和巡回大使を団長とする朝鮮政府代表団と、外務省の高野幸二郎日朝国交正常化交渉担当大使を団長とする日本政府代表団が参加した。
会談で鄭団長は、過去の清算が朝・日関係改善の根本問題だと指摘しながら、両国の関係改善は今世紀中に実現されなければならないと強調した。また、過去の清算については、第9回会談(4月、平壌)で提起した朝鮮側の原則的要求に変化はないと述べ、日本は回避出来ない過去の清算に、誠実な姿勢と立場で臨むべきだと強調した。 一方、高野団長は第9回会談後、南北最高位級会談や史上初の日朝外相会談が行われるなど、朝鮮半島を取り巻く情勢が大きく変化したと言及。国交正常化が世紀を越えてはならないとの鄭団長の意見に全面的に同意すると指摘した。 日本政府は同夕、朝鮮政府代表団のために東京で宴会を主催した。会談は24日に続けて行われる。 河野外相と会談/村山元首相、野中幹事長らとも 朝鮮政府代表団は22日、河野洋平外相、村山富市元首相(日朝国交促進国民協会会長)、自民党の野中広務幹事長、日朝友好議員連盟の中山正暉会長らと会談した。 河野外相は第九回会談で朝鮮側が日本政府代表団を歓待したことについて謝意を表明した。 また、右翼やいわゆるら致家族らが公館前で抗議したことに遺憾の意を表しながら、日朝間に横たわる懸案の問題を円満に解決するため、朝・日の両団長が力を尽くして欲しいと語った。 そして、日本政府は、朝鮮の平和と安定が世界の平和に直結すると思っており、朝鮮半島情勢の大きな変化を歓迎していると指摘。史上初の日朝外相会談で一連の問題を合意したことを大変嬉しく思うと述べた。 鄭団長は、朝・日両国が不幸な過去を清算し、善隣友好関係を樹立することは、両国人民の共通した願いだと強調。両国政府が朝・日外相会談での合意精神に沿って会談が実を結ぶよう、努力するべきだと強調した。 また、鄭団長は宿舎を訪れた田英夫参院議員(社民党)と談話を交わした。(崔憲治記者) 「日本側、過去の清算に言及」/朝鮮中央通信 総聯中央で歓迎集会 朝・日会談に参加するため訪日中の鄭泰和大使を団長とする朝鮮政府代表団が23日、東京の朝鮮総聯中央本部を訪れた。徐萬述第一副議長と許宗萬責任副議長が、各副議長、総聯関係者らと一行を熱烈に出迎えた。 また、朝鮮会館では、朝鮮政府代表団を歓迎する在日朝鮮人中央集会が開かれ、徐萬述第一副議長と鄭泰和団長があいさつした。 第2回朝・日会談の代表団以来、9年5ヵ月ぶりに朝鮮政府代表団を迎えて感慨無量である、と一行を歓迎した徐萬述第一副議長は、総聯と在日同胞も朝・日国交正常化に貢献するとの決意を表明し、代表団が所期の任務を達成することを願うと述べた。 鄭泰和団長は、朝鮮人の血と涙がこもっている日本で、その犠牲者である在日同胞との対面はひとしおだと述べ、在日同胞の要望通り、日本政府の謝罪と補償を取り付けるために全力を尽くす、と語った。 集会2部では、朝鮮学校生徒による小公演が行われた。 |