春・夏・秋・冬

 とある地方都市から帰るときのことだ。自分が座るはずの指定席に、女性2人が座っていた。席を捜す筆者を見て、2人は軽く頭を下げて席を立った。南朝鮮からの旅行者だった。男女4人グループで、男性が座席に足を乗せるので、席を移ったらしいが、少しムッとした

▼車内販売がきて、4人は酒のさかなを買おうとした。が、言葉が通じなかった。で、見かねて通訳を買って出た。4人グループは、先ほどよりも深く頭を下げてビールを勧めてくれた

▼日本のプロ野球では、アンチG派である。なにしろG球団が負けるだけで嬉しい。こっぴどく負ければ負けるほど、こちとらの快楽が増すのだが、K選手が出てくると、事情が違ってくる。とくに、一打逆転の場面でK選手が打席に立つと、アンチGであることを忘れて、ついつい応援してしまう

▼ボクシングを観るのは好きだ。でも、身内が出た試合を観てからは、あまり観なくなった。自分が打たれているようで、リングを正視できなかった

▼洪昌守選手が27日に世界タイトルに挑戦する。相手は南朝鮮の選手。できれば双方勝たしたいが、そうもいかぬ。心情的には、同じ在日同胞の洪選手に勝ってもらいたい、という気持ちが、やや強い。そのタイトル戦で、国歌の代わり「我らの願い」をうたうと聞いた。これには心から拍手を送りたい

▼血筋、言語、文化の共通性などが、民族の定義として挙げられる。旅先で、袖が触れ合っただけでも、同族だと分かると、すぐにうち解けることができる。南北は、もっともっと仲良くなれるはずだ。(元)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事