それぞれの四季

格別な「8・15」

金才順


 2年前の8月、祖国統一のための第9回汎民族大会に参加するためピョンヤンを訪れた。

 滞在中、汎民族大会参加のため南から駆けつけた学生らに出会ったことは忘れがたく、昨日のことのように思い起こされる。

 スラリと長身で、たくましそうな女子学生黄さん。小柄だが屈強な農村青年らしい男子学生金さん。ふたりは共に南に親兄弟を残し、100万学徒の思いを託すべく、着の身着のまま大会に参加した。決死の覚悟で北に入り、全大協の熱く力強いメッセージを読み上げる姿は、りりしくまぶしかった。

 聞けば金さんは故郷に婚約者と老いたオモニがいるとか…。愛する人々をおいてどんなに辛かったろうかと目頭が熱くなった。黄さんも女性の身でどれほどの勇気を奮いたてたことだろう。

 しかし分断祖国を愁い、統一のために闘う気持ちを伝える言葉に、いささかの迷いもないようだった。「民族大団結」「朝鮮はひとつ!」と叫ぶ彼らの若く清々しい情熱に終始気圧されていたように思う。青春を賭けて闘う統一の担い手たち。彼らの存在を忘れまいと過ごして来た。

 あれから2年、情勢は大きく進展した。

 7000万わが同胞に新たな希望を与えた南北両首脳の劇的な出会いと南北共同宣言。統一列車に乗る日が確実に近づいている。わずか2、3年前には予測できなかった変化が日々起きている。

 統一を想い、願い、あらゆる苦難や犠牲を払ってきた人々、北と南、海外の愛国者らの活動があったからこそ今年の8・15はより意義深い。(ジャーナリスト)

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