くらしの周辺
子は親の所有物か
子供は親の所有物か。親は子供を産んだのだから、子供を殺してもいいのか。こういう質問をすれば、ほとんどの人間は「違う」と答えるだろう。しかし、軽重の差はあれ、そのような行為は日常的に行われている。
幼児虐待。「しつけ」と称して親のうっ憤を暴力で晴らしたり、親のエゴで邪魔者扱いすることは珍しくない。親に捨てられた子ほど哀れな存在はないと言うが、では親に虐待され、死んだ子はどう言えばいいのか。 先日起こった奈良保険金殺人未遂事件は、看護婦の母親が娘に多額の保険金をかけて、薬物殺害を図ったものだ。母親は「好きになった男のために金が必要だった」と供述しているという。そう言えば、以前にも同じような保険金殺人事件があった。カネやオトコがコドモより大事という倒錯した意識。 親が子を殺し、子が親を殺す。そんなニュースに眉をひそめるだけで、すぐに忘れてしまう異常な社会に私たちは生きている。どこで間違ったのか。拝金主義、利己主義、自己中心主義、学校荒廃、家庭の崩壊…。 ひとつだけ書く。親になれないのなら子供を産んではいけない。親になった以上は、親は親になる努力をし、子供を愛情深く育てるべきだ。社会や学校の問題を言う前に、この当たり前の真理に立ち戻れば、ほとんどの問題は解決できるのではないか。 親子関係が正常に持てない人間は、他の人間関係もまともに持つことはできないのだ。(趙) |