春・夏・秋・冬 |
南北首脳会談直後から、米CIAや日本の情報関係担当者が続々とソウル入りしたという。目的はただ1点、金正日総書記と金大中大統領の6時間余りと伝えられている会話の全容を把握し、再現することにあった
▼南北共同宣言の第1項目、「国の統一問題を、その主人であるわが民族同士が互いに力を合わせて自主的に解決する」の、「自主的」の真意は何か、ということを探ることにあるらしいと、解説する向きもある。米日抜きの統一論議は困る、という訳だ ▼「南北朝鮮の統一を支持する」「南北当局間対話の早期実現」とは、米日両政府が朝鮮半島問題に言及する時に、枕詞のように繰り返してきた文言である。米国は、93年の朝米共同宣言でもその旨を確認している。ところがいざ、朝鮮民族が自らの手で分断された国を統一しようとすれば、疑心暗鬼になる。彼らは本当に統一を願っているのか、と疑ってしまう ▼同じ話しの脈絡で、平和統一を実現しようとしているにもかかわらず、「駐韓米軍は朝鮮半島、ひいてはアジアの平和と安定に寄与している」と、継続駐留論が口をついて出てくる。米軍が駐留したり、あるいは平和の2文字をかざして干渉して、彼地が平穏たりえたことは1度もなかった。それは、われわれの生きる20世紀の歴史が証明している ▼最近の例では、ユーゴスラビアはどうだったか、イラクは? 少しさかのぼってソマリア、さらにはベトナム・インドシナ半島、朝鮮半島はどうだったか。米軍の去った後には、屍と焦土と化した街だけが残った。(彦) |