取材ノート

食中毒と朝鮮料理


 雪印乳業の集団食中毒事件が大きな社会問題になっている。1万人以上の発症者が出たのだから、全工場を操業停止にするのも当然だろう。

 これに限らず、この時期、気をつけなければならないのが食中毒。最近だけでも、病原性大腸菌O157で死者が出ている。

 ということで、本紙でも同胞の医師から、食中毒について話を聞き、「健康・趣味」欄で2回(6月23、30日付)に分けて掲載した。その際、印象的だったのが、朝鮮料理の効用についてである。

 その医師によると、食中毒になるかどうかは、抵抗力に関係するそうだ。O157のような感染型の食中毒の場合、抵抗力があれば、感染しないという。そして、抵抗力をつけるのに、朝鮮料理がたいへん効果的だというのである。

 なるほど、O157は牛の腸に繁殖していると言われるが、私自身の経験からして、夏にレバ刺しを食べても食中毒になることはなかった。それは、ペニシリンと同じくらい殺菌力のあるにんにくのタレをつけて食べるからだ。朝鮮料理にふんだんに使われるトウガラシも、腸の免疫力を高める効果がある。

 このような内容で記事を掲載したところ、読者から早速、「にんにく、トウガラシの殺菌力、免疫力を改めて見直した」との反響をいただいた。

 食中毒だけでなく、紫外線から肌を守ったり、大腸ガンの予防になるなど、体に良い料理としての朝鮮料理が見直されている。

 古くからこのような料理を考え出してきたのがわが祖先である。食中毒の記事を書きながら、改めて民族への誇りがわいてきた。
(文聖姫記者)

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