商工連・飲食業者協議会

  朝鮮料理講習会


 いよいよ夏本番、かき入れ時を目の前に控え、焼肉店の同胞経営者らを対象にした「朝鮮料理(焼肉)店料理講習会」が10日、東京の叙々苑游玄亭新宿で行われ、44人が受講した。

 在日本朝鮮人商工連合会の同胞飲食業者協議会が主催したもので、不況下でも成績好調な同胞店の料理人らが、基本から応用まで自店の「味の秘密」を気前良く披露。協議会責任者の゙一男氏は開会に際し、「業界では相変わらず日本企業の攻勢が強いが、だからこそ、われわれならではの味が生きて来る。オリジナリティーを高めるうえで、今日この場の経験を役立てて欲しい」と強調した。

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 料理講習で自慢の味を披露したのは、゙氏経営の焼肉彩苑モランボン(西東京)と、協議会メンバーの郭功八氏が営む松竹園(北海道)の2店。料理研修ホールを会場に提供した叙々苑游玄亭(朴泰道社長)も、交流会で最新メニューを披露した。

自慢の味、堂々伝授
秘伝コチュジャンから個性派麺まで

 モランボンから提供されたのは、朝鮮料理の基本となるコチュジャンの作り方にはじまり、8種類のナムル、お花畑の石焼ピビンバとポッサムキムチ。ホウレン草や大豆モヤシはもちろん、ナスやズッキーニを用いるナムル、コンクールで受賞した石焼ピビンバなど、いずれも試行錯誤のあとが見てとれる品々で、参加者の感心を誘った。

                                                                         味見する表情は、やはりプロのもの

 松竹園から出されたのは、蟹チゲと冷麺カルパッチョの2品。食材の選び方や調味料の使い方まで、あくまで朝鮮風にこだわった本格派のチゲに対し、後者は独創性の際立つ1品だった。

 受講者もさすがにプロらしく、経験やひらめきを生かした質問が飛んだ。

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 外食産業は一昨年、昨年と続けてマイナス成長を記録したが、内訳を見ると勝ち組と負け組の差は鮮明になる一方だ。

 焼肉業界も、毎年のように新興チェーンが台頭し、まさに戦国時代の様相。薄利多売で押す日本の近代的フランチャイズ企業に対し、同胞店は旗色が悪い――というのが一般的な見方だ。

 ただ、そういった危機感が浸透してか、同胞経営者の間に巻き返しへの意気込みも目立ってきた。商工連が秋に開催する経営集中 
講座には毎回、定員を超える応募があるが、続けて参加する人も少なくない。

 兵庫から来た味楽園の康虎哲さん(26)もその1人。昨年の集中講座に参加した後、「店に帰り、スタッフを集めて学んだことを全て伝え、皆で頭を絞った。厳しい時代だけに、自分のテーマを持ってやって行きたい」と話していた。 (金賢記者)

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