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北九州小倉・松本清張記念館


「巨人」の足跡多彩に展示

 松本清張。日本の文学史上これほどスケールが大きく、個性的な作家は恐らく今後も現れないだろうと言われている。

 40歳を過ぎて、小説を書き始め、不断の向上心と強じんな精神力で新たな分野を開拓していった。フィクション、ノンフィクション、評伝、古代史、現代史…。そのいずれの分野においても独自の世界を構築した。

 数々の傑作をあげても、「点と線」「ゼロの焦点」「砂の器」「北の詩人」など数限りない。特筆されるのは、占領時代の暗部に迫った「日本の黒い霧」。下山事件、帝銀事件などを徹底的な調査によって、朝鮮戦争へと向かう謀略と推定した。

 北九州市小倉は清張が愛してやまない故郷。後に巨人と呼ばれる作家の出発点でもあった。領域をとび越えて、恐るべきエネルギーで不条理と格闘する人間を見据え、歴史や時代、社会の闇に切り込んでいった足跡が記念館に再現されている。ファンにとっては見逃せない。(粉)

アクセス/JR小倉駅から徒歩15分、JR西小倉駅から徒歩6分●開館時間/午前9時30〜午後6時(入館は午後5時30分まで)●入館料/大人500円、中高生300円、小学生200円●休館日/年末12月29〜31日 問い合わせ=TEL 093―582―2761

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