16回目の南大阪民族交流会
日本の小学校に通う在日児童ら500余人参加
会場には250余人の子供たちが集まった
ウリナラ(祖国)の文化に触れ、チング(友達)と出会おう
ペンイ(こままわし)、クネティギ(ぶらんこ)遊び 朝鮮名の書き方、呼び方挑戦 「ウリナラ(祖国)の文化に触れ、楽しい一時を過ごすとともに、たくさんのチング(友達)と出会おう」――。17日、大阪市立住吉小学校で16回目を数える、年に1度の南大阪民族交流会が行われた。西成、住吉、住之江区内の日本の小学校に通う在日コリアンの子供たち250余人と、その保護者ら計500余人が参加、交流を深めた。
子供たちは全員がパジチョゴリやチマチョゴリを身にまとい、本名、民族名(父が日本人で母方の姓を名乗った場合)の名札を付けて参加した。コリアンとしての自覚を持ち、限られた時間だが、見知らぬ同士、早くうちとけることができるようにとの願いが込められている。 交流会ではまず、「アンニョンハセヨ!」(こんにちは)と大きな声で互いにあいさつを交わした後、子供たちが通っている学校が紹介された。初めは見慣れない顔に戸惑っていた子供たちだが、会への参加経験を持つ民族学級OBらが中心となりマル(馬)やケグリ(カエル)、トゥェジ(豚)などと名づけられた18のグループに分かれて自己紹介をし終わると、「去年も参加したんだよ」などと語りながらすぐに打ち解けた。 その後、ペンイ(こままわし)やクネティギ(ぶらんこ)などの民俗遊戯、朝鮮半島上空のプラネタリウム、歌「トケビ、マンナロ」(おばけに会いに行こう)や本名の朝鮮語での呼び方や書き方などを学ぶ各コーナーを巡り、肌で民族の文化と触れ合った。 大きな垂れ幕に本名を書き込むコーナーでは、覚えたばかりの朝鮮語に悪戦苦闘しながらも、熱心にチャレンジしていた。 今春、民族学級が設置された住吉区の清江小2年の男子生徒は、「朝鮮の遊びは初めて。とても楽しかった。来年までには、手本を見なくても本名を書けるようにしたい」とニコニコ顔だった。 ウリマルで名前を寄せ書き 一方、民族学級が設置されていない学校の生徒も多く参加していたが、「初めてチマチョゴリが着られてとてもうれしかった。また参加してみたい」(小3・女子)などの感想が聞かれた。 年に1度の交流会。子供たちは来年もまた会おうと笑顔で手を振りながら、別れを惜しんでいた。 (羅基哲記者) 府下170の小中学校で運営される民族学級 日本の小・中学校に通う在日コリアンの子供たちがウリマルや歴史などを学ぶ場である民族学級。大阪府下では現在、小中学校170ヵ所に設置されている。大阪市では、市教育委員会の指導のもと、約2割の学校で運営されている。講師は、ウリマルができ、朝鮮の歴史や風習に明るい朝鮮学校教員など在日コリアンが担当している。そのほとんどがボランティアだ。 在籍者は、「朝鮮・韓国籍」の子供よりも、国際結婚、「朝鮮・韓国籍」離脱による日本国籍取得(帰化)者、「ニューカマー」の子供たちが最近、大きなウェイトを占めつつある。 民族学級は府下12のブロックに分かれて、音楽会や交流会、サマーキャンプなど活発な活動を繰り広げており、南大阪ブロックでは運動会や夏期学校などを催している。交流会はそうした活動の一環だ。 自前の民族衣装を着て来る子もいるが、民族学級で学んでいない子供にとっては、この交流会が民族衣装を身にまとう唯一の機会になっている。 |