春・夏・秋・冬

 歴史が動いた先週の3日間、衛星放送の実況中継に釘付けだった。釘付けになって日本の新聞、テレビを、まったく見なかった。普段なら朝鮮問題が出ていると、隅から隅まで熟読するのだが、今回はばかばかしくて、見出しも読まなかった

▼「まったく予想できなかった」「実に見事な演出だ」――。この間、日本のマスメディアに登場した朝鮮問題専門家は、異口同音にこう語り、最後は判で押したように「共同宣言が採択されても和解、統一への道のりは困難だろう」と、冷や水を浴びせることを忘れない。まるで、そうなることを願っているように

▼いったい何を分かって知ったかぶりをしているのか、腹が立ってくる。「予想できなかった」と言うのは、それだけ朝鮮半島情勢に精通しておらず、朝鮮民族の心を理解していないことを白状したことになる。まして「演出」うんぬんは、心の貧しさをそのまま証明しているようなものだ

▼日本人が朝鮮人を理解できないのは分かるとしても、許せないのは、同族が日本のメディアに登場して、南北最高位級会談にケチを付けていること。分断の悲劇を食い物にするためにケチを付けているのか、と疑いたくなる

▼南朝鮮の世論調査では97%内外の市民が、会談を「成功だった」と答えた。在日同胞もほぼ同じ、いやそれ以上だろうが、その蚊帳の外にはじき出された連中の発言が、「主流」で「正論」かのように吹聴されるのは、筆者ならずとも我慢ならないだろう

▼ありのままを素直に、見たことをそのまま受け止めれば良い。百聞は一見に如かずだ。 (元)

          

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