ざいにち発コリアン社会
先生の話しに熱心に耳を傾ける子供たち
(西淀川支店)
朝青朝銀近畿大阪支部
ウリマル教室「チャララ」
コリアンとしてすくすく育て 歴史、地理、文化、料理も実習/講師は職員、全14店舗で運営 日本の学校に通う同胞児童・生徒、園児を対象にした朝青朝銀近畿大阪支部によるウリマル教室「チャララ(育て)」が、今年も4月から8月まで週1回、大阪府下の近畿朝銀全店舗(14)で開講している。「チャララ」にはコリアンとしてすくすく育ってほしい、との意味が込められている。 4月の開校以来、受講生は増え続け現在、160余人が学んでいる。教室が開かれる日には、朝青に所属する職員が手分けして子供たちの送迎を受け持つ。 「塾よりチャララに通わせる方がよいと言ってくれる親もいる。塾で教えるのは勉強だけだが、チャララでは民族心も養えるからだ」と話す金民一・朝青支部委員長。教室運営に確かな手応えを感じている。 教室の歴史は17年と古い。1983年末、寝屋川支店で、日本学校出身の職員にウリマルを教えたのが始まりだ。翌年には生野東などの各支店にも開設され、85年4月からは朝青支部活動の一環として、全店舗で行われるように。 講師は、朝青の職員が担当している。学友書房が発行する「あんにょん」を教科書に、ウリマルや朝鮮の歴史、地理、文化などを子供たちが理解しやすいよう、掛け図などを使って教えている。 チヂミなどの朝鮮料理を作る授業などは子供たちにも大人気だ。楽しいし、あとで食べられるからだ。 これまで、教室終了後、受講生から寄せられた感想文には、「自分の周りに多くのチョソンサラムがいるのを知って驚いた」、「チョソンサラムなのにどうして今までアボジ、オモニという言葉を使わなかっ ◇ ◇ その一つ、西淀川支店を6月初旬に訪ねた。受講生は6人。昨年春から同支店に勤務する康由紀さん(19、大阪朝高卒)が講師を務める。実は彼女も「チャララ」の出身。生野東支店の教室で学び、その後、日本の小学校から中大阪朝鮮中級部に編入した。 この日はアボジ、オモニなど家族の呼び名について復習した後、オルグル(顔)、ソン(手)、タリ(足)など体の部位の呼び方と、文字の書き方を学んだ。 今年から、初めて弟と一緒に教室に通い始めた宋知樹くん(6、園児)は、「おもろい。もっと勉強したい」と元気いっぱい。 教室が終了する8月には、各支店ごとにイベントを催す予定だ。 康さんは、「ウリハッキョに編入して驚いたことは運動会だった。生徒たちが何事にも一致団結して取り組んでいた。チマ・チョゴリを着て通学できるのもうれしかった。教室で学びウリハッキョに編入していなければ、日本人のなかに埋もれてしまっていたでしょう」と語る。 運営の全般を担当する金孝守・朝青支部副委員長はこう話す。 「日本で生活していても、やはり民族の自覚や誇りを持って生きていくことが必要不可欠だ。それがなければ民族的な劣等感を感じ、自分を見失う場合がある。だから民族心を養うことが大切だ。それは言葉を学ぶことから始まる」 (羅基哲記者) |