金正日像修正の必要

欧米のメディア


 欧米のメディアは、南北首脳会談を驚きをもって伝えた。

 CNNのマイク・チノイ記者は、空港での両首脳の劇的な握手について、「これは、互いに認め合ったということだ。双方ともこれまでは、そうすることを望んでいなかったのに」と指摘。「われわれは、金大中大統領が熱烈な歓迎を受けるのを見て勇気づけられた」「重要なステップとなったことは明白だ」(ホワイトハウスのジョー・ロックハート報道官)、「南北間の相互信頼と協力の新時代の始まり」(アナン国連事務総長)などのコメントを紹介した。

 また、メディアの「驚き」は、会談の予想を上回る成功と同じくらい、金正日総書記の人物像からもたらされた。

 「『親愛なる指導者』は意外な新事実であった。われわれは彼に対する判断を修正しなければならない」(BBC放送)、「落ち着き払った金正日は、自分自身を生放送で世界に見せることによって、大胆さを明らかにした」(AP通信)、「今回の永続的な効果の1つは、北の指導者のイメージ変化だろう」(ABC放送)などの見方が相次ぎ、米国のABCはさらに、「金正日は自分自身が、金大中よりもっとカリスマ的であることを証明した」とまで報じた。

 一方、ジェームズ・リリー元駐南朝鮮米国大使は、「彼ら(北側の幹部たち)が醸し出すイメージは、彼らを『ならず者国家』と呼ぶことを難しくするであろう。なぜなら彼らは、『笑うならず者国家』であるからだ」と皮肉たっぷりに語った。しかしこれも、国際社会で朝鮮に対するステレオタイプづくりを一手に引き受けて来た米国でさえ、ある種の戸惑いを感じずにはいられないことを示している。

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