総連結成45周年中央大会

愛国愛族の代を継ぎ、45年の歴史を誇り高くふり返る


 在日本朝鮮人総聯合会(総聯)は25日、結成45周年を迎える。これを記念する中央大会が21日、東京・北区の東京朝鮮文化会館で開かれた。朝鮮と海外僑胞団体などから送られてきた祝電を、総聯中央の許宗萬責任副議長が紹介。徐萬述第1副議長が記念報告を行った。大会では、元首相の村山富市日朝議連会長、林亮勝日朝文化交流協会理事長、吉岡達也ピースボート共同代表が祝辞を述べ、総聯の45年の歩みを称えるとともに、日朝関係改善のために共に頑張ろうと語った(祝辞の内容別項)。

 徐第1副議長は報告の中で次のように指摘した。

 一、金日成主席は朝鮮戦争の最中である1952年12月、在日朝鮮人運動の実態を把握、路線転換方針を示した、主席の指導に基づき、韓徳銖議長をはじめとする活動家と同胞は路線転換方針を貫徹するたたかいを繰り広げ、55年5月25日、総聯を結成した。

 一、金正日総書記はつねに、総聯活動の発展に深い関心を払い、最近も、変化した環境と日本の実情に合わせて活動方法を根本的に転換し、新しい世代をはじめとする広範な同胞との結びつきを深めるための方途を示した。

 一、総聯は45年間、在日同胞の権利と利益の代弁者、擁護者として同胞に服務、奉仕し、彼らの暮らしに配慮し、諸般の民主主義的民族権利を守ってきた。また、民族教育事業を在日朝鮮人運動の生命線ととらえ、強化発展させてきた。

 一、商工人ら広範な同胞は、社会主義祖国の富強繁栄に情熱を捧げている。また、総聯結成当初から、在日同胞は統一実現のため力と知恵をすべて捧げるとともに、自主、親善、平和の理念のもと、日本人をはじめとする世界の進歩的な人々との連帯を強化してきた。

 一、こんにち、総聯を取り巻く環境は結成当時に比べて大きく変わった。在日同胞社会で世代交替が完全に成し遂げられ、在日朝鮮人運動で新しい世代の同胞が主役に登場した。われわれは環境の変化と日本の実情に合わせて活動方法を根本的に転換し、総聯を広範な同胞に支持され愛される大衆組織に育てていく。

 一、総聯東京都本部管下の7支部では、同胞に奉仕し実利をはかる「地域同胞生活相談総合センター」を開設した。この貴重な成果と経験を一般化し、新しい世代の要求に合わせて支部の姿と事業内容、活動方式を大きく変え、総聯を新しい世代をはじめとする広範な同胞の中に深く根づくようにしていく。

国民運動で日朝改善/村山富市(日朝議連会長、元首相)

 総聯の45年間の歴史の中には忘れられない出来事も多いだろう。とりわけ、民族教育に深い関心を寄せ、幼稚園から大学まで教育体系を整え、10万人の卒業生を送り出してきたことはたいへんなことだ。

 また、きびしい経済状況が続く中、経済問題や暮らし、福祉に力を入れている総聯の活動はさらに発展していくだろう。

 昨年12月1〜3日、朝鮮を訪問した際、国交正常化交渉を早期に再開することで合意、これに沿って日朝間では政府間交渉が進められている。

 朝鮮の平和と統一、ひいては東北アジア、世界の平和のためにも、日朝国交正常化は何としても必要だ。

 政府間交渉だけでなく、国民の立場から仲良くする新しい国民運動を起こし、日朝関係改善に貢献したい。理解、支援、協力を要請するとともに、総聯のさらなる発展を祈念する。

理事文化交流で尽力を/林亮勝(日朝文交長)

 45年間、大変な苦労をしてきたと思う。それ以前の50、60年はさらに大変だったろう。

 夕べ、野菜を切っていて、指を切ってしまった。たいした傷ではないが痛い。私たち日本人は、朝鮮のみなさんに(植民地支配という)大きな傷をつけてしまった。

 だが、後ろ向きにだけ考えていては駄目だ。村山元首相が日朝関係改善のために奮闘すると力強く述べたのを、金日成主席が生前、「正義は必ず勝つ」と語ったことと重ね合わせながら聞いた。

 日朝文化交流協会では様々な形で、朝鮮の優れた文化を日本に伝え、日本の文化を朝鮮に伝えるようにしている。力は足りないが、気持ちは持っているつもりだ。

人間としての交流を/吉田達也(ピースボート共同代表)

 「ピースボート」では、朝鮮にも何度か行った。行く前は私自身にも偏見があったが、実際に行ってみて思ったことは、隣の国なのになぜしょっちゅう会えないのかということだった。また、在日の人たちとも腹を割ってつきあっていないのではないかと考えた。

 人間は腹を割ってつきあうことが大切だ。ピースボートでは、8月に6〜700人規模で朝鮮を訪問しようと思っている。ぜひ在日の人々も乗船して、日本人といろいろなことを話し合ってほしい。私たちも腹を割って話すので、在日の方々からも働きかけてほしい。

 私は日朝の国交正常化を願っているが、そこでは人間関係の回復が基本になると思う。互いに共存する世界が、近い内に必ずやってくると信じている。

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