いじめや差別なくそう
ー下関朝鮮初中で座談会ー
「豊かな心を育もう!」をテーマに、山口県の下関朝鮮初中級学校とオモニ会は3月5日、「親子で観よう!パネルシアター公演と座談会」を下関市民センターで行った。生徒をはじめ教員、オモニたち140人が参加し、差別、いじめ、障害について語り合った。
座談会は教員とオモニらが参加し、パネルディスカッション形式で行われた。パネラーとして最初に、公演者代表でもある「読み聞かせグループ YUME」の三角由紀子さんが「 いじめ と公演のきっかけ」を話した。 続いて23年間、養護教員を勤めてきた古賀明江先生(市立安岡小学校)は「どんな子供でも皆地域で生きるべきだ。障害の有無に関係なく対等の関係を作ること。それが教育の原点だ」などと障害児教育に携わってきた経験を語った。 韓朝男同校校長は「豊かな 心 を育むことは」をテーマに「今の子供は知識の量は多いが、反面心の発達は伴っていない。少子化、核家族化が人との関わりを下手にさせている。勉強だけでなく遊びの中でも豊かな心を育てることを大切にしたい」と強調した。 発言の後、あるオモニは「朝鮮人、日本人、障害者、健常者が互いの存在を認めあうことは偏見をなくすことだと気付いた」と感想を話した。また、「日頃から授業の合間などに意識的に差別や、障害についてエピソードを交え話してきたが、ある時生徒から差別の言葉が発せられた時、がく然とした」経験などが語られた。 三女が障害を持つ崔玉貴オモニは「オモニ会、そして先生たちの集う場で、まさか障害の話ができるなんて夢にも思わなかった。娘にも上の兄弟と同じように、民族教育を受けさせトンムと呼んでもらいたい。でも、今のハッキョには受け入れ体制が整っていない」と問題を投げかけた。 その狭間での悩み、葛藤を聞いた参加者からは「偏見をなくすには何よりも豊かな心を育む努力をし、そのためには学校や家庭での役割を高めよう」などの声が上がり、皆の意見が1つにまとまった。(静) |