春・夏・秋・冬 |
1990年以降、朝鮮半島は唯一、冷戦構造の残る地域と指摘されてきた。その最大の理由は、朝鮮戦争の戦後処理が済んでいない点にある。停戦状態なのだから、状況次第によっては戦争が再びぼっ発する危険性をいつもはらんでいる
▼朝鮮は恒久平和を築くために、米国に対し停戦協定を平和協定に代えることを再三、提案してきた。南にも、その項目が大きな柱となっている南北合意書(92年に発効)の早急な実行を促してきた ▼平和状態にないこと、さらには朝鮮半島が分断していることは、民族史の観点からすれば様々な分野にマイナス影響を与えてきた。本来、1つ作れば済むものが2つ必要になるのだから、その精神的、肉体的代価は2倍以上にもなる ▼そのうえ、一般的には民生部分への転換がきかないといわれるばく大な軍事費。こうした作業を朝鮮民族は50年以上、続けて来ざるを得なかった。故郷への自由往来はおろか、家族・親族との対面もできず、そして日本における生活までもが歪められてしまった ▼こうしたことを肌で感じてきたからこそ、在日を含む海外同胞、そして南北の民衆は「統一こそが民族の生きる道」とつねづね口にしてきたのである。そこに飛び込んできたビッグニュース。「民族の和解と団合、交流と協力、平和と統一を早める」ための南北首脳会談の6月開催 ▼南北サッカー、バスケット競技、レベルアップを目指した朝米ニューヨーク協議、金正日総書記の中国大使館訪問、「ベルリン宣言」…。背景を考えればあれもこれもと思い浮かんでくるが、それにしても胸躍る朗報である。(彦) |