ざいにち発コリアン社会

奨学生募集がスタート

日本の大学、高校に通う同胞の学業支援
返済義務ない完全給付制



 日本の大学、高校に通う同胞学生、生徒らの学業を支援するための、在日本朝鮮人教育会(教育会)と財団法人朝鮮奨学会(奨学会)の奨学生募集がスタートする。いずれも返済の義務がない完全給付制。教育会では1957年度から奨学制度を設け、向学心に燃えながらも学費に困っている同胞学生たちに奨学金を支給してきた。一方の奨学会は100年の歴史を持つ。

在日本朝鮮人教育会

大学のみ所属問わず/4月15日〜5月31日

 教育会の奨学生制度は、日本の各大学の学部に在学している学生に対して、「朝鮮・韓国」籍を問わず適用される。専攻科目や所属団体の如何も問わない。ただし、大学院生、留学生は除外している。

 申請期間は4月15日から5月31日まで。奨学金給付額は、昨年の実績を見ると、1年生で月額1万2000円、2〜4年生で月額2万円。給付期間は1年間で、毎年再審査を行う。

 向学心に燃えながらも学費に困っている学生を助けるのが目的なので、返済義務はない。

 申請方法は申請書類(別掲)を期間内に教育会(奨学部)に送付する。 選考方法は書類審査のうえ、必要により面接審査を行う。

 願書、募集要綱などは中央および東京、愛知、京都、大阪、兵庫の各都府県教育会、教育会のない県では総聯の各県本部で取り扱っている。なお、関東圏は東京、岐阜、静岡、三重は愛知、滋賀は京都、和歌山、奈良は大阪、岡山は兵庫の教育会で取り扱う。

 教育会では、(1)日本の研究機関へのあっ旋、研究費その他の便宜 (2)在日本朝鮮人の民族教育機関などへの就職あっ旋 (3)朝鮮の言葉や歴史などの講座、朝鮮への短期講習会の実施――なども行っている。

 ▽在日本朝鮮人教育会中央常任理事会(奨学部)=東京都文京区白山4―33―14(TEL  03・3818・6138)

申請書類

(1)奨学生申請書2通

(2)在学証明書1通

(3)学業成績証明書1通

(4)写真(正面上半身、最近3ヵ月以内に撮影したもの2枚(4×5センチ)を申請書にはる)

※新入生は出身校の最終学年の学業成績証明書を提出。

財団法人朝鮮奨学会
高校〜大学院生1850人/4月1日〜5月10日

 奨学会(權碩鳳、桂煥両代表理事)では、日本の大学の学部、大学院に在籍している同胞学生(留学生も含む)、高校に在籍する同胞生徒に奨学金を給付している。

 いずれも学業成績が優良でありながらも学費に困窮している者が対象で、返済義務のない完全給付制だ。

 高校生の場合、募集人員は1100人で、募集期間は4月1日〜5月1日となっている。奨学金給付額は月額1万円。

 申請方法は、期間内に申請書類(別掲)を一括して奨学会本部または関西支部に提出する。郵送の場合も期間内に必着のこと。

 審査は、選考基準に従って、書類審査と必要に応じて面接審査のうえ決定する。給付期間は1年間で、継続して給付を希望する者については、新学年ごとに再審査を行う。

 大学・大学院の場合、採用予定人数は、学部課程(短大含む)が650人、修士・博士課程が100人。いずれも継続・新規生を合わせた数字だ。

 募集期間は4月10日〜5月10日(継続申請者は5月1日まで)。

 奨学金給付額は、学部課程(短大含む)が月額25000円、修士課程が月額4万円、博士課程が月額5万円。

 申請方法は、在日の学生及び継続留学生の場合、期間内に申請書類(別掲)を奨学会宛てに一括提出する。 

 郵送の場合は、簡易書留にしてA4サイズの封筒を使用し「申請願書在中」と朱書きする。新規留学生の場合は、各大学の奨学金担当の部署を通じてのみ申請でき、個人で直接に申請できない。

 大学・大学院の場合も、書類審査と必要に応じて面接審査を行う。

 ▽財団法人朝鮮奨学会本部=東京都新宿区西新宿1―8―1 新宿ビル9階(TEL  03・3343・5757)

 ▽関西支部=大阪市北区西天満4―9―2 西天満ビル3階(TEL06・6361・0586)

高校生の申請書類 (1)願書1通(奨学会所定用紙)

(2)在学証明書1通

(3)学業成績証明書1通(新入学者は中学卒業時のもの)

(4)学校長推薦書1通(奨学会所定用紙・親展にすること)

(5)写真1枚(4.5×3.5センチ。正面脱帽、写真は願書に貼ること)

(6)返信用封筒2通


の申請書類

大学
・大学院生

(1)願書・写真(奨学会所定用紙、5.5×4センチ写真貼付)

(2)身上書(奨学会所定用紙)

(3)研究計画書(奨学会所定用紙・大学院生のみ)

(4)在学証明書(2000年4月1日以降発行)

(5)学業成績証明書(2000年4月1日以降発行)

(6)推薦書(奨学会所定用紙、「親展」にすること)

(7)返信用封筒2枚

 財団法人朝鮮奨学会 1900年、日本に留学生が派遣され始めて以来、日本に留学する同胞学生の奨学援護機関として事業を続けている。

 57年に「朝鮮籍・韓国籍」同数の理事と日本の学識経験者を加えた理事会を再建。61年から本格的な大学奨学金給与事業を開始し、66年からは高校奨学金制度を創設した。

 図書室の運営、ウリマル(母国語)講座の開設、ウリマル発表会などの開催、高校奨学生同士の親睦と交流をはかるサマーキャンプや懇談会の実施など、多彩な活動を行っている。高校奨学生による文化祭も毎年開かれており、奨学生だより「セフル(新しい流れ)」を年1回発行している。

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