平壌レポート

うさぎのようにピョンピョンと
新たに創作、幼児むけのリズム体操


心身発育にプラス

 毎日午前11時になると、企業所や事務所など朝鮮各地の職場では、勤労者たちがリズム体操をする姿を目にすることができる。軽快な音楽に合わせてまるでダンスをするように体を動かすリズム体操は、ここ数年広く普及しており、人々の健康づくりに役立っている。

 リズム体操には、高齢者、青年、少年、幼稚園園児など各世代向けに数種類があるが、最近、託児所の子供たち向けの体操が新たに作られた。

 考案、創作したのは、保健省で保育士の教育に携わるキム・ギサム氏(55)。「まだ身体も知能も未完成な乳幼児が大人と同じリズム体操をするのは、発育上あまり好ましくありません。子供たちには、子供たちの知能と運動能力の発達水準に合った体操が必要です」と語る。

 朝鮮の託児所では、生後3ヵ月から満4歳までの子供たちを預かり、3〜6ヵ月、7ヵ月〜1歳6ヵ月、1歳7ヵ月〜3歳、3歳以上と、段階別に4つの組に分けて保育する。1歳6ヵ月までの乳児向けの体操は、腕と脚、首を動かす基礎的な動作で、1歳7ヵ月以上の幼児向けには全身を使う動作が入っている。

 「乳幼児の心身成長を促すよう研究しました。音楽も、子供たちが好む音楽を選びました。ウサギのようにぴょんぴょん跳んで、タヌキのようにおなかを突き出して、などと動物の真似をしながら一緒にやると、子供たちはとても喜ぶようです」とキム氏は話す。

 現在、各地の託児所では毎日朝と昼の2回、この体操を行う。導入されて3ヵ月になるが、子供たちの食が進むようになり、眠りが深くなったなどと、保護者の評判も上々。家庭でもできるように保護者たちにも広く教え、録音テープも配布している。最近では、孫がやっている体操を自分も習おうと、祖父母らが託児所を訪ねてくるという。
(千貴裕記者)

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