日朝友好議員連盟結成、会長に村山元首相選出
朝・日国交正常化/環境作り、推進役に


 朝・日国交正常化実現への環境整備に務めようと、日本政党代表団のメンバーが呼びかけ23日、日朝友好議員連盟の結成総会が東京・永田町の憲政記念館で開かれ、昨年12月に訪朝した同代表団団長の村山富市元首相を会長に選出した。

超党派169人が参加

 総会には村山元首相、野中広務前官房長官、民主党の伊藤英成副代表をはじめ衆参両院の国会議員らが参加。友好議連には自民、社民、民主、公明、自由、共産、改革クラブなど超党派の国会議員ら169人が名を連ねた。

 呼びかけ人を代表してあいさつをした村山元首相は、朝米、朝中、南北の関係が進展しているなか、日本だけが孤立してはならないと指摘しながら、「東北アジアの平和と安定のためにも、日朝間の国交を正常化し、近くて近い国にしていくことが大事な課題だ。簡単な問題ではないが、正常化が必要だという熱意を持っていればなんとか打開できる。政府間の話し合いを進める環境だけは作っていきたい」と意欲を語った。

 議連の母体となった日本政党代表団は、訪朝の際、朝鮮労働党とともに国交正常化会談の早期再開を自国の政府に促し、両国の交流を促進していくとの共同報道文を発表。不正常な関係を改善するための環境作りに務めることで合意した。議連の結成はこの延長線上にある。

 来賓のあいさつをした総聯中央の徐萬述第1副議長は、朝・日友好親善協会の祝電を紹介したあと、「朝・日両国の歴史の扉を開くために結集された皆さんの英断に、心から敬意を表する。両国の関係が1日も早く改善され、共に豊かに暮らす21世紀が来ることを期待する」と述べた。

 また、外務省を代表して東祥三外務総括政務次官があいさつをした。

 昨年12月に北京で開かれた国交正常化交渉のための政府間予備会談では、本交渉の早期再開が確認され現在、交渉が重ねられているが、主張の相違点も少なくない。

 訪朝団メンバーの大脇雅子参院議員(社民党)は、「対話と交流を重ねることで双方の不信がなくなり、深い理解が生まれる。話し合いの入り口に石を置く人もたくさんいるし、問題は山積みされているが、議連のメンバーとして各界各層の幅広い交流を実現する推進役、応援につとめたい」と抱負を語っていた。

共に豊かな友好の21世紀へ
徐萬述第1副議長

 2000年代最初の年に、日朝友好議員連盟が設立されるのは大変喜ばしく、まさに春の訪れを感じさせる出来事だ。

 在日同胞は戦前、戦後の1世紀近く、両国の不幸な関係によって辛酸をなめてきた。両国の新しい関係を築くため、議連に結集された議員のみなさんに心から敬意を表したい。

 過去を清算し、お互いの人間性を尊重した友好関係を築くのは、両国の人民はもちろん、アジアと世界の人民の願いでもある。

 朝鮮をめぐる国際情勢は、金正日総書記の指導の下、自主的な外交努力により新たな展開を見せている。朝・日関係が1日も早く正常化し、在日同胞の法的地位と生活権利が保障され、共に豊かに暮らす友好の21世紀が来るよう期待する。

 朝・日間に国交がないため、総聯はこれまで国の代表部的な役割も果たしてきた。近い将来、正式に大使館ができれば、われわれは共に協力して朝・日の親善に尽くしていくだろう。

熱い思いで現状打開を
村山富市会長

 米国はペリー報告書以降、朝鮮とは対話を先行させる方向で、話し合いを行っている。今月末にも朝米会談が行われ、そのために朝鮮の高官が訪米すると言われている。対話のムードが進んでいる。

 朝鮮と中国との関係も、活発な人士交流や食糧援助に見られるように改善してきている。

 金大中「大統領」が太陽政策を進める南朝鮮とも、経済、文化、スポーツなどの民間交流が盛んになっている。

 しかし、日本のみが朝鮮との交流が途絶えたままだ。なんとかこれを打開し、正常化への道を開かなくてはならない。日本だけが孤立してはいけない。

 朝鮮は隣国で、歴史的にも長い交流がある。戦後54年もたつのに不自然な関係は好ましくない。それは日朝のみならず、東北アジア全体の平和と安定のためにもだ。

 関係を正常化して、近くて近い国にしようと、そんな気持ちで訪朝し、政府間交渉のための環境を作ってきた。

 難しい問題もあるが、熱い思いがあれば、なんとか打開できるのではないか。今後、文化、スポーツなど様々な分野での交流を進め、日朝関係を円滑にしていくのに寄与したい。