私の会った人

すわしんじさん


 最新のニュースをネタにして、笑い飛ばす異色のコントグループの「ザ・ニュースペーパー」のメンバー。今、最も脂がのっている芸達者がこの人。ドリフターズの加藤茶の付き人16年の下積み生活が今、一挙に花開いた感がある。政治や世相に縦横無尽に切り込むユニークな舞台には、小学生からお年寄りまで幅広いファンが集う。

 「江戸時代に庶民から愛読された『かわら版』の精神と言うか、権力や強者へ物申すスタンスを大事にしてきた。その姿勢が受けているかも」

 一昨年暮れの公演では、「自自連合」のニュースを舞台に乗せながら、小沢一郎氏の強権イメージを「モデルガンショップフリー小沢」として演じ、会場の爆笑を誘った。「結局、デフォルメというのは、個性であり、役者の力。どんなに似ていても、それにセリフ回しや面白みがなかったら、笑ってもらえない」。

 高校サッカーで有名な鹿児島実業の卒業。「朝高がやっと、公式戦に出られるようになって本当に良かった。長い間、朝高を締め出してきたことが、信じられない。みんなが差別に対し、敏感になって、何かへんだぞ、おかしいぞ、と思う感覚を磨かないと」

 昨今の日本のメディアの北朝鮮報道にも首をかしげることが多い。一方的で断定的な報道の仕方は、欧米のそれに比べても偏っているような気がして、コントのネタに使えないという。「正確な情報に基づいた報道を日本のメディアは心掛けるべきだ」と語る。  (粉)