すこやか情報

消えた「喫煙半減」値
厚生省「健康日本21」


 日本の21世紀の国民健康づくり運動となる厚生省の「健康日本21」計画から、たばこ対策の目標値「2010年まで成人の喫煙率半減」が削除されることが17日決まった。

 背景に、葉たばこ生産農家の生計や税収確保を重視する農水省や大蔵省、関係議員たちの意向が働いたのは間違いないと指摘されている。

 たばこ以外では、栄養・食生活、運動、休養・こころの健康、飲酒など多岐にわたって具体的な目標値が設定された。

 たばこ対策の目標としては、(1)喫煙が及ぼす健康への影響についての十分な知識を普及する (2)未成年の喫煙をなくす (3)禁煙希望者に対する支援プログラムをすべての市町村で受けられるようにする、などだ。

 昨年8月に公表された中間まとめでは、たばこによって増えた死亡者数は年間9万5000人で、(1)成人の禁煙率(男性52.8%、女性13.4%)の半減 (2)1人当たりのたばこの年間消費量3152本の半減 (3)未成年者の禁煙ゼロ、の3項目が掲げられていた。がんや心臓病、脳卒中、胃かいようや十二指腸かいようは、たばこを吸う人を減らせば減ることが分かっている。