山で元気!

自然に溶け込み野趣料理
                        丹沢・大山(神奈川県)


 「山とグルメと温泉」をテーマに、2000、3000メートル級から低山まで春夏秋冬、様々な山行を重ねている。89年の結成以来、昨年10月に100回を達成し、今回は110回目でグルメ中心の合鴨鍋。これまでも雪中でのタラ鍋、桜の木の下での焼肉、新緑の中でのシャブシャブ鍋などを楽しんできた。

 当初、ピラミッド型の雄大な山容を誇る大山(1252メートル)頂上を目指す予定だったが、天気予報は午後から雨。そのうえ大山頂上は常に霧が深く雨が降りやすいことから別名、雨降山ともいわれる。雨を予想してコースを変更した。

 関東ふれあいの道を途中で外れ、ふれあいの森・日向キャンプ場の少し手前にある東屋でグルメの宴を開く。

 合鴨にたっぷりの野菜。鴨味を引き立たせるせりをはじめ水菜、大根、ねぎ、ごぼう、きのこ、しらたき、ゆばなどなど。ダシは昆布でとった。「かもねぎ」という言葉があるが、本当はねぎよりもせりの方が鴨に合うと食通はいう。

 料理担当のメンバーは買い出し、野菜の切り揃えなどにもたっぷりと時間をかけ準備万端。味が落ちるのを防ぐため鴨肉はその場で切る。男の野趣料理は大胆にと言われるが、それに「皆に美味しいものを食べさせたい、旨いと言って貰いたい」との繊細な気持ちが加わり、美味しさがグーンと増す。

 飲み物はビールにワイン、これに大山の地酒も加わる。山で酒を飲むのは邪道という人もいるが、低山ならいいだろう。天気予報は外れ、雨も降らず風もない。自然の中に溶け込んで、2時間近くたっぷり食事を楽しんだ。

 木々の芽も膨らみかけ、春の間近さを感じさせる山容や田園風景を眺めながら日向薬師バス停までのんびりと歩く。

 最後は鶴巻温泉の露天風呂にゆっくりと浸る。心身ともにリフレッシュ。まさに至福の時。明日からの仕事に新たな意欲が沸いてくる。
(京都留学同関東OB会登山クラブ「高翔会」)

コースとタイム

   大山ケーブル〜追分〜女坂〜阿夫利神社下社〜二重滝〜見晴台〜ふれあいの森・日向キャンプ場〜日向薬師(2月6日、3時間)

   山行アドバイス この時期は天気に関係なく防寒着(雨具)、スパッツ、アイゼン、手袋など冬山装備はしっかりと。