みんなの健康Q&A/花粉症(2)治療法


薬物による予防的治療が主流/副作用少なく、高い安全性

 Q 花粉症の診断はどのようにするのですか。

 A 診断には、2つの重要なポイントがあります。1つは、その病気が本当に花粉アレルギーかどうかという診断です。もう1つは、花粉症だった場合、どんな植物の花粉が原因で起きているかという診断です。

 病院でまず最初に行われるのは問診です。問診による情報は、診断に重要ですから、患者さんも主な質問を事前にメモしておき、受診の際に整理して伝えられるようにしておくとよいでしょう。主な問診内容は表のとおりです。

<主な問診内容、予めメモして準備を>

1    くしゃみの発作はひどい時には1日何回位か。
2    くしゃみと前後して鼻がムズムズする、鼻がつまる、
  水っぱなが出るか。
3    1日の鼻をかむ回数や鼻づまりの程度とその他の症
  状。
4    いつ頃からくしゃみが出始めたか、また何月が多
  いか。
5    くしゃみは家の中と外ではどちらが多いか。
6    どんな時にくしゃみが起きやすいか(例:掃除、押
  入れの整理、古本のしまつ、犬・猫・鳥、ほこり払
  い、体の冷え、冷房のある部屋、風の強い日)
7    喘息になったことがあるか。また薬のアレルギーを
  起こしやすいか。
8    今の病気で医者にかかったことがあるか。その時、
  どんな診断であったか。

 具体的な検査内容ですが、まず最初に行われるのは鼻鏡検査です。鼻の粘膜の状態を調べる検査です。その他、X線検査、鼻汁細胞検査、血液検査(IgE抗体の量を調べる)などが行われます。

  花粉症の薬物治療はどのように行われるのですか。

  治療の第一歩は、病因となっているアレルゲン(花粉)を確認して除去することです。

 花粉シーズン中は毎日の花粉情報を参考に、飛散の多い日はできれば外出を控え、外出時はマスクとメガネを着用し、マスクの中のガーゼを湿らせたり厚くするなど工夫を加えるとよいでしょう。

 薬物治療の実際としては、対症療法(症状が現れて、一時的に抑え込む方法)から、症状が出る前から薬を服用し、つらい症状が出ないようにする予防的治療が主流です。この予防的治療に使われる薬が抗アレルギー薬です。

 予防的治療に用いて効果が実証されているのは経口薬で、多彩な症状に対処するためには局所薬より全身に作用する経口薬に利点があります。抗アレルギー薬開発は近年目覚ましく多くの薬が臨床の場で使用されています。

  副作用の心配はないのですか。

 A 抗アレルギー薬は、花粉が飛散する時期、ずっと服用するため副作用を心配する人も少なくありません。薬ですから副作用がまったくないという事はありません。しかし、実際に起こるものは少なく、安全性の高い薬といってよいでしょう。

 もっとも問題となる副作用は眠気です。眠気が出るかどうかは個人差が大きく、あまりひどい場合は別の薬に変えてもらう事が必要です。

 もう1つ気になるのは、肝臓への影響です。また心臓血管系の副作用が報告されている薬もありますので、不整脈などの基礎疾患を持っている人は医師に伝えておきましょう。
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