年末の愛の募金運動、2万人参加し相互扶助

対象は一人暮らし寝たきり同胞、
ハンセン病療養所、障害者施設などにも


 総聯が毎年行っている「愛の募金運動」の結果が、このほど事務局に集計された。昨年11月から約2ヵ月間にかけて行われた募金運動には、2万人を越える同胞や活動家が参加し、相互扶助の精神を発揮した。

 募金は、総聯の分会、支部、学校を通じて集められ、各地の支部、本部、事務局を通じて配られた。募金の支給対象は、一人暮らしの老人や、寝たきりの同胞、孤児や交通遺児、活動家の遺族、闘病中の活動家など1900人以上の同胞で、ハンセン病療養施設(静岡、岡山、鹿児島、熊本)、老人保健施設(大阪)、心身障害者を抱える家族のネットワーク組織「ムジゲ会」、身体障害者の作業所などにも配られた。

 単に募金を渡すだけではなく、対象になる同胞たちが、同胞社会の温かいぬくもりを感じることができるような企画を練った地域もあった。愛知朝鮮第1初級学校の児童たちは、名古屋市内の特別養護老人ホームを訪問し、朝鮮舞踊や歌、器楽重奏など民族色あふれる公演を披露し、好評を博した。また、東海朝鮮歌舞団は静岡県内のハンセン病療養施設で初めて慰問公演を行った。涙を流しながら喜ぶ同胞も少なくなかったという。

 事務局では今後の課題を、「募金運動をより大衆的に進め、幅広い同胞に行き渡らせること」としている。各地から意見を募ったところ、「年に1度だけではなく、数回行えば、対象になる同胞を今以上に探せるし、訪ねることができる」「募金の開始時期を早め、分会などを通じてもっと多くの同胞から協力を得るべき」などの提案が出された。