経済復興に全力傾ける金正日総書記
今日、58歳の誕生日を迎えた金正日総書記は、今年の最重要課題である経済問題の解決のために、年初から平安北道の土地整理事業や工業部門を指導するなど、精力的に活動している。総
書記の現地指導の内容とその意義について見た。
土地整理/農地面積の拡大へ
食糧問題の更なる改善をめざす
江原道に続き平安北道
昨年7月現地に
金正日総書記は1月24日、平安北道の土地整理事業を現地で指導した。
朝鮮通信が伝えたところによると、総書記は泰川郡、寧辺郡など道内各地の状況を視察。整理された広大な面積の田畑を眺めながら、建設者たちの労をねぎらったという。
土地整理とは、これまで耕地として使われてこなかった土地などを整理するもので、一昨年、江原道で始まった。主な目的は耕地面積の拡大にある。
総書記が昨年、4回にわたって現地を指導したことで、江原道は土地整理のモデル地域と位置づけられ、同道のやり方に沿って全国的に事業が展開されている。
その手始めが平安北道だ。総書記は昨年7月13日、平安北道の土地整理を現地で指導した際、この事業が、(1)穀物の生産を画期的に高める重要な方途 (2)農業の総合的機械化を実現して農民を骨の折れる労働から完全に解放する事業――であると述べた。
そして、今秋から来秋にかけて、計画された工事を完成させるための具体的な課題を示した。
次は黄海南道
今回、総書記が平安北道を訪れたのは、朝鮮人民軍の軍人建設者と現地の労働者らが、短期間に膨大な工事をやり遂げ、予定より早く事業を進めていることを評価するためだったと言える。
1月31日発の朝鮮中央通信によると、平安北道では数ヵ月の間に約2万9000ヘクタールの土地が整理され、その結果として田畑の端の土手と溝、水たまりがなくなり、約千ヘクタールの耕地が新たに生まれた。
同報道によると、今春をめどにしていた一段階工事が繰り上げて遂行されたという。また、小規模な畑しかなかった泰川郡、亀城市、義州郡をはじめ道の中部地帯は、大平原をほうふつさせる豊かな耕地となった。
総書記は先月、平安北道を訪れた際、同道の土地整理が終わりかけているので、次は黄海南道に力を集中させるべきだと述べた。
近年、朝鮮では土地整理とジャガイモ増産運動を柱とする農業政策を推進してきた結果、「穀物生産を飛躍的に高められる確固たる展望が開かれた」(洪成南総理)。
江原道、平安北道に続き、黄海南道でも土地整理が進めば、水害などで減少した耕地面積を徐々に拡大することができる。それは、食糧問題のさらなる改善を約束するものだ。
工業/電力、機械、軽工業に力
生産を高水準で正常化
国の経済力強化に大きな異議
多い重要工場
金正日総書記は先月、土地整理事業への指導に続き、再び平安北道を訪れた。今度は工業部門への指導である。期間は25日から28日までの4日間にわたった。
総書記が訪れたのは、楽元機械工場、亀城工作機械工場、12
月5日青年鉱山、良策ベアリング工場、新義州履物工場、新義州紡織工場だ。
金日成主席の新年の辞に代わって元旦に発表されている共同社説は、今年、経済分野で解決を急ぐべき部門として、電力、石炭、金属、鉄道、軽工業をあげた。
1月に開かれた内閣総会拡大会議でも、燃料、エネルギー工業、金属工業、鉄道運輸部門の水準を向上させることを重要課題に掲げている。
これらの課題を遂行するうえで、総書記は平安北道に先べんをつけたと言える。総書記は現地指導の際、「平安北道には大規模な水力発電所と機械工場、軽工業工場をはじめ重要な工場、企業所が多いので、道の工業を画期的に発展させることは国の経済力をいっそう強化するうえで極めて大きな意義を持つ」と述べた(1月30日発朝鮮中央通信)。
実際、総書記が訪れた工場を見ても、機械、金属、石炭、軽工業部門に集中している。
最も緊張する
総書記はこの現地指導で、電力、機械および軽工業製品の絶えない需要を満たすためには、技術を改善し、生産能力を高めると同時に、新たな発電所と近代的な工場をより多く建設しなければならないと述べた。
今年、朝鮮が最も重要な課題として掲げているのはエネルギー問題の解決だ。共同社説は、「電力工業と石炭工業は社会主義建設の前哨戦」だと指摘したが、両者ともエネルギー問題に直結する。
機械や工場を正常に稼働させ生産を正常化させるためにも、エネルギー問題が解決されなければならないということだ。3日発朝鮮中央通信によると、趙昌徳副総理は、「今日のように電力事情が緊張したことはなかった」と、朝鮮で電力が不足し経済各部門で増大する需要を満たせず、生産と建設に莫大な支障をきたしていることを率直に認めた。
当面、エネルギーを自力で解決するためには、水力と火力に頼らざるを得ない。水力発電と石炭部門の指導に力を入れているのもそのためだと言える。