春夏秋冬


 「梧桐(あおぎり)の葉が落ちれば秋になる」――。南朝鮮与党民主党(前国民会議)の権魯甲顧問が8日、4月の総選挙に出馬しないと表明したことについて、青瓦台(大統領府)の高位関係者が、こうコメントした

▼権魯甲は、金大中「大統領」の側近中の側近で、間違いなく出馬すると思われていた。市民団体が公表した「落選名簿」に名前が載ったのがきっかけだが、当選が危ぶまれるから出馬を断念したのではない。彼なら間違いなく当選しただろう

▼「大統領と国の将来のためなら、いかなる犠牲もいとわない覚悟で」不出馬を決心したというのが本人の弁。自分が勇退することで、民主党の若返りを図り、金「大統領」の「改革」を後押しする馬謖(ばしょく)の役割を演じようとしているのだが、額面どおり受け止めるのは尚早だろう

▼好意的に評価すれば、少数与党を率いる金「大統領」は、「国家保安法」の改廃など「改革」を思い通りに事を運べないでいる。連立与党の自民連が反対しているからだが、そういう意味でも今回の総選挙は、天下分け目のたたかいとなる

▼しかし、もう一方で、金「大統領」が自民連と内閣制改憲を密約しているとかの「疑惑」があるのも事実。金鍾泌自民連総裁との不仲説は、実は「出来レース」だというのだ

▼水と油のはずの自民連と手を組んだ97年の「大統領選挙」で証明されたように、目的のためには手段を選ばないというのが、金「大統領」のやり方だ。そして肝心なのが、その目的。いったい何を考え、どこへ向かおうとしているのやら。4月の選挙で結論が出るだろう。(元)