朝鮮に米8万トン支援/秋田の日本市民


 食糧不足に苦しむ朝鮮の人々を支援しようと、秋田県内の農家や県議会議員で結成された「北朝鮮にお米を届ける県実行委員会」(穂積惇代表)が2日、県内の農家や食品会社に協力を呼びかけて集めた救援物資を発送した。物資は米約8トン、稲庭うどん約130キロ、衣料品約300点など。

 秋田市中通の県労働福祉センターで行われた発送式では、同実行委員会の穂積代表が総聯秋田県本部の柳栄夏委員長に目録を渡した後、「食糧不足で大変なことを知り、できる限りの援助をしたいと思った。これを契機に両国の間に、よりよい友好関係がを生まれることを期待する」とあいさつ。柳委員長は「県民の暖かい気持ちは、朝鮮の人民にとって大きな励ましになる」と謝意を述べた。

 同実行委員会は「政治的な問題は抜きにして、人道的な立場から支援の手を差しのべよう」と昨年11月に結成された。

 実行委員長の高橋良蔵さんは昨年9月に朝鮮の農村を視察しているが、「自然災害や病害虫被害などで食糧不足は深刻化している。人間の命を救うことを優先的に考えた」と話していた。

 この日、大型トラックに積まれて出発した救援物資は、10日に新潟港から出港する「万景峰92号」で朝鮮に送られる予定。