「改正入管法」18日から施行
「不法在留罪」を新設


「改正入管法」ここが変わる

(1)不法在留罪の新設

      不法入国・上陸した外国人の全ての不法在留行為が処罰の
   対象に

(2)上陸拒否期間の伸張

      日本から過去強制された外国人の再入国禁止期間を、現行
   の「1年」 から「5年」に

(3)再入国許可の有効期間の伸張

     日本に正規に在留する外国人について、現行の「1年以内」か
   ら「3年 以内」に

再入国拒否期間も5年に延長/オーバーステイ取り締まり徹底

 昨年8月に改正された「出入国管理及び難民認定法」が、18日から施行される。今後、法務省入国管理局による外国人の出入国審査や日本に在住する外国人の管理などは、この改正法に基づいて行われる。

 現行法との違いとしては、3点が挙げられる。

 第1に「不法在留罪の新設」。日本に不法入国あるいは不法上陸し、日本に引き続き在留する外国人について、改正法施行日以降は、入国・上陸の時期にかかわらず、すべての不法在留行為が処罰の対象となる。不法在留罪には時効がなく、不法在留の発覚が10年後であっても、拘束、処罰されることとなる。

 第2に「上陸拒否期間の伸張」。現行法では、オーバーステイや不法入国を理由に日本から退去強制された外国人が再入国できない期間は1年間と定められていたが、今後は5年間、再入国が認められない。

 第3に「再入国許可の有効期間の伸張」。日本に正規に在留する外国人から再入国許可申請があった際、その有効期間が現行の「1年を超えない範囲内」から「3年を超えない範囲内」に改められる。

 改正のポイントは「不法就労・オーバーステイ対策」という点にある。日本に不法滞在する外国人の数は、1993年をピークに減少傾向にあるものの、昨年1月現在で約27万と、依然として高水準で推移。こうした傾向に歯止めを掛けたい思惑がある。

 だが、ここで問題となるのは、例えば金銭トラブルや交通事故に巻き込まれた場合、オーバーステイをしてまで、時間の要る訴訟に踏み切れるかどうかだ。改正法ではオーバーステイが即、処罰につながるため、裁判もできずに泣き寝入り、という事態にもなりかねない。

 改正法は、再入国許可の問題は別として、主にニューカマーが対象であり、在日同胞に直接つながるものではない。だが、在日同胞は永住権を持っているから安心、とは言えない面もある。「あくまで、外国人登録法と出入国管理法による『管理』の対象であることに変わりはない」(崔賢吉・行政書士)というのが実態だ。  (柳成根記者)