ウリ民族の風習、伝統/遊戯
ヌンサウムノリ(雪合戦遊び)


相手に当てた数で勝敗決める

 冬の風物の1つに「ヌンサウノリ(雪合戦遊び)」がある。

 雪は子どもたちにとって夢をはぐぐむ素敵な贈物であり、格好の遊びであるといえる。

 雪合戦は、雪の降る国であれば世界中どこでも見られるが、日本よりも冬が長く、雪の降る日が比較的に多い朝鮮半島では、冬の子どもの遊びの中でも、典型的なものの1つである。

 組に分け、小さく固めてつくった雪球を誰が1番早く相手に当てる事ができるのか、つくった雪だるまに向かって雪球を投げ、誰が1番早くそれを崩す事ができるのか、雪だるまを誰が1番上手につくることができるのかなどを競う。

 朝鮮半島では、相手に向かって当てる遊びと、雪をかぶった藁(わら)人形に向かって少し離れた所から、雪球を投げ合ってたくさん当てる遊びが主流である。

 この遊びには古くから、春からの農耕や、その年の豊作を祈願した占いや、まじないなどが込められている。

 占いという意味においては、石を投げ合う「石戦(トォサウ)」や、藁に火をつけて田んぼに放ち、他の部落よりも盛大に燃やして豊作を祈願する「芝火遊び」などもあった。

 冬場の危険な遊びで、今では固く禁じられている。雪合戦も、雪を小さく固めすぎたり、子どもたちの中には小石を入れて投げ合うこともあって、けがをすることも多々あったという。それでも昔の子どもたちは、少々のけがをしながらも、懸命に雪を丸めなげあって愉快に遊んだ。また親子で雪合戦を楽しむことは、スキンシップの大切な手段として、今も続けられている。

 この他、雪をたくさん固めて、家の門の前や庭先、原っぱ、学校の運動場で「雪だるま」をつくったり、道端でこれを転がしたりして雪だるま競争などが行われた。