朝銀近畿が破たん処理申請


  朝銀近畿信用組合は12月29日、近畿財務局の検査結果を受け、金融再生委員会に対し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第68条に基づく破たん処理を申請した。同日午前の理事会で採決した。

  朝銀近畿の申請に対し、金融再生委員会は「金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行い、金融整理管財人を選任した。

  朝銀近畿理事長が発表した談話および記者会見での発言(要旨)、朝信協会長が発表した談話は以下の通り。

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朝銀近畿理事長の談話

  本日、当組合は、今般の近畿財務局検査により債務超過に陥っていると言う結果を厳粛に受け止め、経営の自力再建を断念し、金融再生委員会に対して、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第68条に基づく破たんの申出を行いました。

  今般、組合員の皆様ならびに日本の国民の皆様に、多大なるご迷惑をおかけすることになり、ここに深くお詫び申し上げます。

  預金取引者の皆様からお預けいただいているご預金につきましては、預金保険制度により全額保護されていますのでご安心下さい。

  今後は、金融整理管財人によって当組合が適切に管理運営される一方、具体的な破たん原因の追求が行われることになります。また、善良なる取引先の保護のために、当組合の受皿となる金融機関を早急にお探しいただけるよう、金融整理管財人並びに関係機関のご尽力をお願いいたします。

  私といたしましては、朝銀西信用組合に受皿となっていただけるよう、お願いしている次第です。

2000年  12月 29日
朝銀近畿信用組合
理 事 長   安 定志 

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記者会見での朝銀近畿理事長の発言(要旨)

  当組合は、関西地区の在日同胞の金融を確保するため、1997年11月に大同団結し、その後、破たんした旧朝銀大阪の事業を譲り受けて以降、経営の合理化、効率化を推し進め、役職員の意識改革を図り、金融新時代の要求にかなった経営体制の構築、健全経営の確保に努めてまいりました。

  合併後3年目を迎えた本年5月から当局の検査を受けましたところ、私どもの思いもよらない多額の分類債権があるとの指摘を受け、驚愕の思いでございました。

  その要因は、長引く不況、地価の下落による担保価値の目減りといった外的要因や自己査定の甘さによるものと反省しておりますが、主として、京都地区の営業店が多額の分類債権を抱えていることが判明したところであり、私としても、この事実を粛々と受け止めざるを得ず、まさに断腸の思いであります。

  このような現状において、組合員、在日同胞の方々および合併、事業譲渡にご尽力いただいた関係各位にはお詫びのしようもありませんが、自力再建の策も見出せない中で、本日、金融再生法第68条の申出に至ったところであります。

  私としては、かかる事実が合併前に判明しておれば今日の事態はなかったと悔やんでも悔やみきれませんが、この際、経営の責任者として、事実は事実として受け止め、膿をすべて吐き出し、新たな21世紀を迎えることが、組合員、在日同胞のためになるものと考えているところであります。

  受皿につきましては、在日本朝鮮信用組合協会のご協力を得ながら、朝銀西信用組合にお願いしているところであり、早期に実現することを切に希望しているところであります。

  また、金融整理管財人の方々には何かとご迷惑をおかけしますが、関西地区では、民族系3信組が破たんと言う厳しい現状にあり、同胞企業等取引先に対する円滑な金融ならびに責任のない一般組合職員の処遇と雇用を確保していただくよう、特別のご配慮をお願いするものであります。

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朝信協会長の談話

  本日、私どもの会員信用組合である朝銀近畿信用組合が、近畿財務局の検査結果を受け、金融再生委員会に対し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律題68条に基づく破たんの申出を行いましたことにつき、深い遺憾の意を表します。

  朝銀近畿信用組合の経営破たんにより、組合員の皆様に多大なるご迷惑をおかけすることになり、心よりおわび申し上げます。

  お客様の預金につきましては、預金保険制度により全額保護されていますので、ご安心下さるようお願いします。

  今後、朝銀近畿信用組合は、金融整理管財人の管理の下で、通常業務が行われるとともに、破たん原因と経営責任の明確化が図られ、受皿金融機関の選定が進められることとなります。

  朝銀近畿信用組合の受皿金融機関については、現在、朝銀西への依頼を含め、来年の早い時期に公表できますよう全力を尽くしてまいります。

2000年  12月 29日 
在日本朝鮮信用組合協会
会   長      李 庭 浩

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