春・夏・秋・冬

 今年最後、いや今世紀最後の号になった。これで何もかもが終わりというわけではないが、ついつい感慨にひたってしまうのは世の常なのかもしれない。様々な出来事が、走馬灯のように脳裏を駆け巡っていく…

▼朝鮮民族にとって、日本の侵略の渦の中で始まった今世紀。そして改めて指摘するまでもなく、金正日総書記と金大中大統領の歴史的な対面によって、民族自主統一を全世界に宣言しその実践の緒についた世紀だった

▼しかし、その道程は平坦ではなかった。多くの、数え切れない無名の民衆たちが祖国光復のために立上がり倒れ、その屍の上を乗り越えてまた、数え切れない民衆たちが立ち上がり後に続いた。在日においても、その状況には変わりはなかった

▼祖国の解放と分断、そして差別と弾圧に抗しながらの統一へのたたかい、まさに息つく暇もない日々だった。その過程でこれまた多くの1世、先輩、同輩たちが倒れていった。残された家族、親族、兄弟、子供たちの20世紀を送る心情は、感慨はどのようなものなのだろうか

▼過去と現在、未来は一本線で続いている。とすれば21世紀、過去を踏まえて現在を語り未来を考える作業には変化はない。その作業を怠らなければ(怠っては進歩はないのだが)、国家も個人もしかり、過去の何を捨て何を残さなければならないか、何を糧とするのか、取捨選択が必要になるだろう

▼来年も読者のみなさんたちと共に決意を新たに、その作業に取り組んでいきたいと思う。新年、福おおからんことを祈念しています。(彦)

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